2020 Fiscal Year Annual Research Report
Strategic Molecular Design Aiming at Streamlined Chemical Transformations
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20H02746
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
熊谷 直哉 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (40431887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミド化 / 触媒 / キノリン / 非平面芳香族 / 超分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
新奇分子の探求は化学を最も化学たらしめる基礎研究の一源流であり,化学者自身が創造者となりオリジナルの物性・機能探索を縦横に展開するための源泉となる。本研究では,独自の新奇分子デザインおよびその戦略的構築を基盤とし,効率的な触媒的分子変換反応を開拓することを主眼としている。2020年度はDATB触媒の他反応促進の可能性を追求し,カルボン酸のSchmidt反応,クロスカップリング反応を種々検討したが,円滑な反応の進行は見られなかった。様々な反応アプリケーションの実現には,DATB骨格の抜本的改変が必要と判断し,次年度以降に新奇ヘテロ環状骨格の構築を行う方針を固めた。B3NO2骨格を特徴とするDATBの1つのホウ素原子は,合成手法は踏襲したままに導入試薬を変更することで異なる原子配列のヘテロ環構築が可能となる予備的知見は得ていることから,環員数の増加含めた新奇ヘテロ環構築は可能であると考えている。特殊水溶性芳香族平面分子TQは,生物活性試験から卵巣腫瘍細胞に対する選択的増殖阻害活性が見られたため,化合物供給と同時に新規合成法の開拓を進めた。その結果,アミド中間体を用いる新規合成法の開拓に成功し,より柔軟な誘導体創出が可能となった。キノリンを2,8位で直連結した非平面キノリン4量体TEtraQuinolineは,合成法の継続的改良により再現性の高い方法論の構築の目処が立っており,次年度に合成法を確立し,化合物の増量とその機能解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DATBのscope&limitainsの見極めが終了し,新奇へテロ環構築の必要性を定めることができた。またTQの新規改良合成法,TEQの合成法を確立しつつあり,3年計画の1年目としては順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
DATBから派生した新奇ヘテロ環の構築とその触媒機能精査を行う。また,合成できつつあるTQ誘導体,TEQの物性探索を進める。さらに,より高次のキノリンオリゴマーの構築にも挑戦し,新奇分子骨格が成す化学を追究する。
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Research Products
(14 results)