2020 Fiscal Year Annual Research Report
生物機能を規範とした物質・エネルギー変換触媒の開発
Project/Area Number |
20H02752
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 秀樹 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50209441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 智宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70270999)
梶田 裕二 愛知工業大学, 工学部, 教授 (60397495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水素生成 / 窒素活性化 / 酸素活性化 / 炭酸ガス固定 / イオン液体修飾電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体系において物質・エネルギー変換に関わる金属酵素の活性中心周辺の第一配位圏を模倣した金属錯体を合成し,さらに基質を誘導あるいは安定化するための多重相互作用反応場を第二配位圏として導入した生物摸倣型金属錯体を構築することである。そして生物系で見られる反応活性種の本質を明らかにし,触媒反応システムの創製を行う。さらに,特異なイオン液体を導入した低環境負荷物質・エネルギー変換触媒システムを構築する。具体的には、①酸素の活性化による物質・エネルギー変換触媒の開発、②常温常圧下で空中窒素からアンモニアを合成する低環境負荷アンモニア合成システムの開発、③炭酸ガス固定を触媒する金属錯体の構築、④水素生成触媒の開発、⑤不安定反応中間体を安定化し触媒的反応を促進させる反応場システムとしてイオン液体や多孔性材料を利用した特異な反応システムの構築および反応デバイスの開発を行う。今年度は、①酸素の活性化に関わる研究としてコバルト錯体を用いてその酸素活性化状態の確認を行った。②天然のニトロゲナーゼにも存在するVを含むバナジウム錯体を合成し、それによる窒素の固定化を行った。③炭酸ガスの有用物質への変換に関して、銅電極上にメタンチオールを修飾した電極を開発し、エチレンやエタノール等への変換を遂行した。⑤水素生成触媒の開発を行った。④複数種のイオン液体修飾電極を開発し、その中へ触媒を担持することに成功した。次年度は上記①②③④の触媒を⑤で開発しているイオン液体中に担持し、触媒機能の向上を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度はコロナ禍の影響をまともに受け、研究は計画通りに進めることはできなかったが、令和3年度は研究体制もほとんど元通りに回復し、倍旧の勢いで研究を推進できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでのコロナ禍で遅延した研究も復活しほぼ元通りの形で遂行できると思われるため、当初の研究計画に基づいて遂行する予定である。①酸素の活性化による物質・エネルギー変換触媒の開発、②常温常圧下で空中窒素からアンモニアを合成する低環境負荷アンモニア合成システムの開発、③炭酸ガス固定を触媒する金属錯体の構築、常温常圧下で、ヒドロゲナーゼの活性部位を模倣した水素生成触媒の開発、⑤不安定反応中間体を安定化し触媒的反応を促進させる反応場システムとして,イオン液体や多孔性材料を利用した特異な反応システムの構築および反応デバイスの開発を行う。さらに今年度は②③と同様の還元系の延長線上にある水素生成についても挑戦できると考えている。
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Research Products
(23 results)