2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of chemical energy production system based on function-integrated catalytic materials
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20H02754
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 美欧 東京工業大学, 理学院, 教授 (20619168)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 錯体化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体中では、物質輸送・物質変換・エネルギー変換といった生命活動の根幹を成す多彩な反応が非常に効率よく進行する。そしてこれらの反応を人工的に再現可能な材料の開発は、人類社会の発展に資する極めて魅力的な研究分野である。しかしながら、生体中の反応の多くは多数の巨大タンパクからなる複合体を用いて行われており、同様の構造を人為的に構築することは最新の科学技術をもってしても極めて困難である。申請者は、生体系と同等或いはそれを凌駕する人工的な機能複合材料の創出に当たっては、単純な構造模倣体を構築するのではなく、機能発現の鍵となる素機能を精密に抽出した機能性ユニットを人工的に再現し、更に得られた機能性ユニットを再構成することで得られる「機能統合型材料」の開発が重要であると考えた。この着想に基づき本研究では、天然の化学エネルギー生産系である光合成反応系の機能を再現可能な機能統合型材料の開発を主たる目的とした。 2023年度の研究においては、金属イオンと有機リンカーから構成される有機金属ケージ(Metal-organic cages, MOCs)と呼ばれる分子性の多孔質材料を対象に研究を行った。特に光化学的CO2還元触媒であるRe錯体をMOCsに組み込み、その集積効果について検討することとした。触媒組み込み量の異なる有機金属ケージを系統的に合成し、合成した有機金属ケージを用いて触媒評価を行った。その結果、有機金属ケージがCO2還元反応ならびにCO2挿入反応に対して活性を有することを見出した。これはRe錯体でアルケンへの光化学的CO2挿入反応に成功した世界初の例である。更に、有機金属ケージにおける触媒サイトの集積効果を調査した。その結果、触媒の集積により反応の加速(正の効果)と減速(負の効果)が起きることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究では、Cp2ZrCl2 (12 eq.)と先行研究に従い合成した触媒サイト導入型配位子 (X eq. X = 1.0 - 6.0)、非導入型配位子(1- X eq.)を異なる反応させるることで目的のMOCsを合成した。得られたMOCsについて、触媒能を評価したところ、CO2還元ならびにCO2挿入反応の触媒として機能することが明らかになった。更に、触媒導入量が反応性に与える影響についても評価することができ、触媒の集積により反応の加速(正の効果)と減速(負の効果)が起きるという非常に有用な知見が得られた。以上の理由から研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究においては、複数種類の触媒ユニットを集積化させた多孔性材料を開発し、触媒反応の連動を志向した研究を進めていきたいと考えている。
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