2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high performance paper devices and its application development
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20H02760
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡慶次 学 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60311437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 博文 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10271644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 紙デバイス / 免疫分析 / 細胞アッセイ / 教育ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①分析性能の高い紙デバイスの研究、②免疫分析デバイスの開発、③細胞アッセイ及び細胞分離デバイスの開発、④教育ツール用デバイスの開発に取り組む。本年度は、この中の①、②、④に取り組んだ。 ①双極性障害の治療薬であるリチウム製剤の血中濃度測定をモデル系として、高性能紙デバイスシステムを構築した。血漿分離と血漿中のリチウムイオンの検出を性質の異なる紙を利用することで、わずか1滴(20マイクロリットル)の試料量で1分以内に測定することに成功した。検出性能は、遠心分離と吸光光度計による従来法と同等であった。 ②競合免疫分析が可能な3次元紙デバイスを開発した。流路を3次元化することで流路長を短くすることが可能となり、アッセイ時間を短縮することができた。デバイスは3層構造になっており、反応領域と検出領域を別の層にすることで、分析性能を向上させることができた。さらに、非競合免疫分析の酵素免疫分析法(ELISA)の基礎検討も実施した。 ③紙デバイスは、安価で簡便ということから、教育ツールとして適している。しかし、濃度定量するためには、マイクロピペットによる試料導入が必要である。そこでマイクロピペット等を用いずに、サンプルに浸漬するだけで、サンプル中の測定対象の濃度を定量できる紙デバイスを開発した。アスコルビン酸とpHの同時測定が可能なデバイスを開発し、測定結果の浸漬時間依存性を評価したところ、測定結果は浸漬時間(3秒から1分)に依存しないことも確認した。測定性能も従来法を同等であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度取り組んだ①、②、④のそれぞれについて、論文化することができた。①と④については、国内外の各種メディアに取り上げられた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、それぞれのデバイスの開発に引き続き取り組むとともに、③細胞アッセイ及び細胞分離デバイスの開発に着手する。
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Research Products
(5 results)