2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of triplex-forming peptide nucleic acid probes for advanced RNA analysis
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20H02761
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 精一 東北大学, 理学研究科, 教授 (40281969)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ノンコーディングRNA / 三重鎖核酸形成 / ペプチド核酸 / 蛍光プローブ / 検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
A型インフルエンザウイルスRNAプロモーター領域及びリボソームRNA A-siteは、阻害剤開発の重要なターゲットとなっている。本研究では、ペプチド核酸(PNA)による三重鎖核酸形成に着目することで、RNA結合タンパクに匹敵する結合力と結合選択性、さらには深赤色蛍光検出機能を併せ持つRNA結合リガンドを開発、阻害剤開発支援のための蛍光インジケーターとしての有用性を実証する。さらに、阻害剤そのものとしての機能を評価するとともに、ウイルスRNA検出プローブとしての活用法を提案・実証する。以上により、生命科学研究に資する新しいRNA解析・制御技術の創成を目指す。 本研究で提案するプローブ設計の最大の独自性は、「ループ部位結合」と「三重鎖核酸形成」を併用することにあり、実際、これにより単なる三重鎖核酸形成PNAでは達成し得ない優れた機能が発現することを見出した。令和3年度の研究実績の概要は下記のようになる。 (a) A型インフルエンザウイルスRNAプロモーター領域に対しては、キナゾリン-2,4-ジアミン誘導体をループ部位結合分子として活用することで、世界最強レベルの結合力を有する結合リガンドの開発に成功している(特願2020-129884)。本年度は、これをA型インフルエンザウイルスRNA検出に適用できることを実証した(論文投稿中)。 (b)新規蛍光色素として、高輝度モノメチンシアニン色素の開発を達成した(特願2021-134803:特許第7029841号)。また、本研究課題に関連して、生細胞RNA(核小体)イメージング深赤色蛍光色素BIQの改良版を報告した(RSC. Adv. 2020, 11, 35436-35439)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように、現時点において、A型インフルエンザウイルスRNAプロモーター領域(特願2020-129884)及びリボソームRNA A-siteを標的とするペプチド核酸プローブの開発を達成している(Chem. Commun. 2020, 56, 14976-14979)。今後、ウイルスRNA検出リガンド・阻害剤としての機能をより詳細に評価するとともに、これらのRNA結合リガンドの機能改良をさらに進めることで、その有用性を実証、実用に供しうる新しいRNA解析・制御技術の実現が期待できる。 以上のように、本研究は順調に進展していると自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の研究計画に従って、以下のように研究を進める。 (a)リボソームRNA A-siteに対しては、より優れた蛍光応答機能を実現するために,新規蛍光色素の開発をさらに進める。また、HIV-1 TAR RNAを標的とするFIDインジケーターの開発も試みる。 (b) A型インフルエンザウイルスRNAプロモーター領域に対しては、ループ結合分子の検討や、ペプチド核酸と連結するスペーサー長をコントロールすることで、結合機能・蛍光応答機能の改良をさらに進める。合わせて、ウイルスRNA検出リガンド・阻害剤としての機能を詳細に評価する。
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