2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of exosome secretion mechanism by a novel exosome analytical method
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20H02766
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金田 隆 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20243909)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エキソソーム / レーザー励起蛍光法 / 放出機構 / 抗原抗体反応 / 高感度分析 / CD63 / キャピラリー電気泳動 / がん細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
エキソソームは細胞間のコミュニケーション、がん転移に関連し、がんのバイオマーカーとしての利用やその機能解明が期待されている。そこで本研究では、新たに開発した高感度エキソソーム計測装置を利用して、エキソソームの放出に影響を与える因子について検討し、放出機構を解明することを目的としている。令和3年度には、光圧を利用した高効率エキソソーム捕集、並びに二色のレーザーを用いたエキソソーム検出法の開発に取り組んだ。ガラス製のキャピラリーにレーザー光を集光し、そこに金ナノ粒子を添加した細胞培養培地を流すとき、光圧により小胞がキャピラリー内壁に捕集される現象を見出した。このとき、金ナノ粒子の電荷、キャピラリー表面の電荷が捕集効率に影響を与えることを明らかにした。エキソソームの表面電荷は負電荷であり、このとき、キャピラリー内壁と金ナノ粒子の表面電荷を正に帯電させることで、最も効率よくエキソソームを捕集できることがわかった。一方、二色のレーザーを用いたエキソソーム検出法の開発においては、532 nmと635 nmのレーザーをキャピラリー上に集光し、異なる蛍光色素で標識した微粒子の検出を試みた。二種類の異なる微粒子をキャピラリー内に流して検出を行ったところ、532 nm付近に励起極大をもつ蛍光粒子は532 nmのレーザーを集光した部分のみで蛍光を発し、635 nm付近に励起極大をもつ蛍光粒子は532 nmと635 nmのレーザーの集光部分の両方で蛍光を発することがわかった。したがって、適切な蛍光色素でエキソソームを標識することで、エキソソーム上の異なるタンパク質を測定できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二色のレーザーを光源とする検出装置はほぼ完成しており、今後、エキソソームの検出に応用する。
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Strategy for Future Research Activity |
二色のレーザーを用いた検出器により、異なる細胞外小胞を識別する方法の開発に取り組む。具体的には、エキソソームの膜タンパク質であるCD63の抗体とマイクロ小胞の膜タンパク質であるCD40の抗体をそれぞれ励起波長の異なる標識試薬で標識し、開発した装置を用いてこれらを識別する方法を開発する。この方法により、通常識別が困難なエキソソームとマイクロ小胞を同時に計測できることを実証する。
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