2021 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を原料とする高難度分子変換に有効な不均一系触媒の開発
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20H02775
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (80775388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不均一系触媒 / 二酸化炭素 / 水素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、二酸化炭素(CO2)と安価な他分子との一段階反応により高付加価値な化学品合成を可能にする固体触媒を開発することを目的としている。これら反応系に対して、種々の(in situ/operando)分光法、計算化学的なアプローチを利用して、触媒性能・機能(基質活性化能)と構造(幾何・電子構造)の相関関係を明確化する。それらの知見を新触媒の設計や成果の体系化に利用し、当該分野の学術基盤を確立する。 本年度は、前年度に見出した触媒の幾何・電子構造を詳細に調査した。特に、触媒動作条件下で触媒の分光学的評価と触媒活性・選択性の測定を同時に行う手法と定義されているOperando技術を活用したXAS、IR、Raman分光法により機構解析を行い、触媒表面に形成される触媒活性種および反応中間体の挙動を調査した。その際、シグナル/ノイズ(S/N)比を劇的に向上させ、物理・化学現象の動的過程に関与する種を選択的に解析することのできるModulation Excitation (ME)法も用いた。 また、反応雰囲気や温度の影響を計算結果に導入できる第一原理熱力学法、マイクロキネティクスモデリング等を活用することで実条件に即した理論計算を行い、理論的な裏付けを得た。 現代の計算化学で一般的に用いられる手法は、温度や圧力等の条件を考慮しないため、物質のダイナミクスが重要となる触媒分野では反応条件を加味した計算が必須である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにいくつかの有望な触媒を見出しており、それらの基本的なキャラクタリゼーションも完了している。触媒動作条件下で触媒の分光学的評価と触媒活性・選択性の測定を同時に行う手法と定義されているOperando分光や理論計算による反応機構解析も順調に進めており、触媒の構造活性相関が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
Operando分光や理論計算によるを検討をさらに加速させ詳細な反応機構を調査するとともに、構造-機能-性能の相関関係を明確化し、触媒設計指針を確立する。固体触媒の設計理論は体系化されていない部分が多く、触媒探索の方法論は「絨毯爆撃的なスクリーニング」から未だに脱却できていない。開発した新規触媒を単なる1成功例に終わらせることなく、その高性能要因を抽出し一般化することで、さらなる高活性触媒開発の礎とする。その際、機械学習等の情報科学分野の手法も利用することで網羅性を上げ、研究の効率化を図る。さらに、実用化も意識して、再利用試験や連続流通反応における耐久性試験も進める。
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