2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the pollution mechanisms of unregulated chemicals originated from the household products in the aquatic environment
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20H02777
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
寺崎 正紀 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10363904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代謝変換 / 健康リスク評価 / 受容体毒性試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は体内への曝露を想定して、臭素化パラベン類18物質に対してラット肝S9存在下での受容体毒性試験を実施した。 はじめにエストロゲン受容体活性試験では二臭素化ベンジルパラベンに濃度依存的な活性が認められた。その活性はポジティブコントロールであるトランススチルベンの0.35倍であった。 つぎに甲状腺ホルモン活性試験では二臭素化ベンジルパラベンに濃度依存的な活性が認められた。その活性はポジティブコントロールであるテトラブロモビスフェノールAの0.053倍であった。 またAhR活性試験では一臭素化体(メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、セカンダリーブチルの各エステル)および二臭素化体(メチル、エチルプロピル、プロピル、イソプロピルの各エステル)に濃度依存的な活性が認められた。AhR活性はラット肝S9の非存在下での活性は知られていて、構造と活性の傾向はエステルの炭素数が増加するほど強い。一方、本研究で実施したS9存在下での結果はむしろ炭素数の少ないエステルに対して活性が検出された。これはS9による代謝変換生成物に強い活性があること示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代謝変換に関する毒性試験を予定通り実施することができた。また代謝に伴う毒性の変化について、新たな知見を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度明らかにした代謝変換活性物質について、構造決定を進めるとともに健康への影響評価に取り組む予定である。
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