2021 Fiscal Year Annual Research Report
Advanced phage-display method with high efficiency by magnetic orientation of rod-like viruses
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20H02791
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石田 康博 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (20343113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ファージディスプレイ法 / 分子進化工学 / 親和性選択 / ライブラリ / 磁場配向 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、シンプルなモデル実験における仮説が検証されたため、本年度は、実際のファージディスプレイ法において、磁場配向の影響を評価した。すなわち、約10^9種類のペプチドライブラリの中から、標的物質に対して最も強く結合するオリゴペプチドを選び出す操作を、磁場あり・磁場なしの条件で行い、結果を比較すした。標的物質としては、協力研究者により通常のファージディスプレイ法に関する十分な知見が蓄積されており、Langmuir Blodgett膜(LB膜)にすることで基板に対し平滑な固定が可能であり、なおかつ抗インフルエンザ薬開発に繋がりうる魅力を持つ糖脂質「ガングリオシド」を用いた(T. Matsubara et al. FEBS Lett. 1999, 456, 253.)。その結果、磁場ありの条件と磁場なしの条件と、選別されるペプチドの分布に、顕著な差が観察され、磁場による棒状ファージの配向が親和性選択の結果に大きな影響を与えることが明らかとなった。すなわち、磁場ありの条件と磁場なしの条件にて、3サイクルの親和性選択ならびにウィルスの増幅を行ったところ、5種類のペプチド(P1, P2, P3, P4, およびP5)が選別されたものの、最終的に選別された比率が有為に異なっていた(磁場ありの場合、P1:P2:P3:P4:P5 = 3:11:1:2。磁場なしの場合、P1:P2:P3:P4:P5 = 9:7:1:1:0)。また、P1およびP2を提示する棒状ファージについては、モノクローナルなサンプルを調製し、これらの等量混合物に対し親和性選別を行ったところ、磁場ありの条件ではP2が過剰に、磁場なしの条件ではP1が過剰に選別され、上述の結果がアーティファクトによるものではないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度のシンプルなモデル実験に加え、今年度は実際のファージディスプレイ法において、磁場による棒状ファージの配向が親和性選択の結果に大きな影響を与えることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の知見を踏まえ、よりチャレンジングな課題として、ファージ外殻との非特異的相互作用が強すぎてファージディスプレイ法が適応できなかった標的物質(カチオン性物質・疎水性物質)に関し、磁場配向ファージディスプレイ法による吸着選別を試みる。具体的な標的として、DNaseやリゾチームに代表されるカチオン性タンパク・種々の無機ナノシートに挑戦する。
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Research Products
(5 results)