2022 Fiscal Year Annual Research Report
Multifunctional smart hole-transporters realizing extremely low-power-consumption and long life OLEDs
Project/Area Number |
20H02807
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
笹部 久宏 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 准教授 (10570731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 大輔 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 准教授 (00518821)
片桐 洋史 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (40447206)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 有機EL / ホール輸送材料 / アリールアミン誘導体 / 熱活性化遅延蛍光材料 / 結合解離エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
貴金属を用いずに電子-光子の変換効率を 100% にできるTADF 材料1)の研究が注目されている。数多くの TADF 材料が報告されてきたが、実用化には、低い耐久性を解決する必要がある。TADF 材料は、電子供与性部位と電子受容性部位から構成されるため、周辺材料との電子的な相互作用を起こしやすい。このため、相互作用を抑制する新しい周辺材料と素子設計が求められる。加えて、三重項励起子を活用することから、周辺材料にも、高い三重高エネルギー準位が必須となる。これまでに申請者らは、ジベンゾチオフェンを有する新たなアリールアミン誘導体 4DBFHPB を開発、緑色TADF素子で 1000 cd/m2 時、外部量子効率20%と輝度半減寿命 (LT50) 2万時間超を実現している。 本年度は、m-ビフェニルを中心骨格に持つ4種類のテトラジベンゾフラン誘導体ホール輸送材料 (TnDBFBP 誘導体) を設計し、末端のジベンゾフラン (DBF) の置換位置の効果を検証した。ジベンゾフランには置換位置が4つある。1-4位の 4 つの構造異性体は、共役長の長さに依存して、2つのグループに分かれた。1 位と 4 位の置換位置では、DBF が窒素原子を覆うようにねじれた分子構造を有している。一方、 2 位と 3 位では、直線的な構造で共役長が長い。これらの材料群は、最大1.75 eVのアニオン性結合解離エネルギー (BDE)、2.8 eV の三重項エネルギーを示した。イオン化ポテンシャルは、共役長に依存して 5.5 から 5.9 eV まで変化した。4CzIPN を用いた緑色 TADF 素子に用いたところ、最もイオン化ポテンシャルの深い T1DBFBP が外部量子効率 20%超と1000 cd m-2 時の輝度半減寿命 3 万時間をしめした。本研究により、これまで短く留まっていた TADF 素子の寿命を大幅に改善できた。加えて、長寿命化のための普遍的な材料・デバイス設計指針を獲得できた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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