2022 Fiscal Year Annual Research Report
Photosensitizers with Efficient Photothermal Conversion for Theranostics
Project/Area Number |
20H02811
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三木 康嗣 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60422979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光音響 / イメージング / 造影剤 / 近赤外色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、2022年度において(1)フタロシアニンを母体とする光応答性光音響造影剤の開発、(2)還元物質応答性酸化型フタロシアニンの開発の2点に取り組んだ。 2021年度においてフタロシアニンの中心金属に水溶性のポリエチレングリコール(PEG)を結合させた光音響イメージング用造影剤を開発した。2022年度において、この造影剤が形成するベシクルが人体に低侵襲な近赤外光を照射することで光音響波の強度が増大することを見出し、結果として光応答性光音響造影剤として機能することを明らかにした。理論計算の結果、フタロシアニンのアニオンラジカルを経由する軸配位子切断経路を経て信号強度が増大している可能性を示唆する結果が得られた。光照射という外部刺激に応答し造影剤として機能するため、人体に低侵襲かつ高コントラストな像を与える造影剤候補として期待される。この成果は2022年度中にまとめ論文として報告した。 2021年度において、PEGと酸化型フタロシアニンが連結した複合分子を創製した。2022年度において、この分子に対し生体内還元物質として知られるグルタチオン(GSH)を作用させると、フタロシアニンへと変換されることを見出し、この反応の詳細を明らかにした。この分子にGSHを作用させた溶液に近赤外パルスレーザー光を照射したところ、GSHの濃度やGSHを作用させる時間に応じて強い光音響波が観測された。また、GSHを作用させ、ここに近赤外連続光を照射したところ、溶液温度が徐々に上昇することを明らかにした。GSHを過剰発現するがん細胞A549に作用させたところ、GSHをあまり産生しない正常細胞に作用させた場合と比較し光音響波の強度が大幅に増大した。これらを踏まえ、本研究ではがんで過剰発現する還元性物質GSH応答性造影剤兼光熱療法用光増感剤として機能する薬剤候補を開発することに成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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