2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Self-Repairing Water Electrolysis Catalysts via Spatiotemporal Control of Active Materials
Project/Area Number |
20H02821
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒田 義之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50638640)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルカリ水電解 / 酸素発生触媒 / 自己修復 / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はNi, Fe, Coを基盤とする新規自己修復触媒の組成検討を行い、本研究課題で目標としている酸素発生反応(OER)過電圧300 mV以下の高活性を実現した。昨年度までにNi, Fe二成分系のハイブリッド水酸化物ナノシート触媒において、高いOER活性を見出したが、この触媒は従来のハイブリッド水酸化コバルトナノシートからなる自己修復触媒と比べると分散性が低く、触媒堆積能や自己修復能の低下があった。本年度の検討では、これらの課題を解決するため、Ni, FeにCoを加えた三成分系にてハイブリッド水酸化物を合成し、高活性かつ高分散性である触媒組成を発見するに至った。 種々の組成の触媒のOER活性を検討した結果、OER活性は主にFeの含有量で制御することが可能であり、Fe70%程度で良好なOER活性が達成された。しかし、Feの含有量を大きくすると、OER活性のある触媒は得られるものの、結晶構造が層状構造からアモルファスに転移し、この様な触媒では耐久性が低くなる傾向があることが分かった。従って、高活性、高耐久性を両立した自己修復触媒の実現のためには、組成に加えて結晶構造ないし粒子形態を制御する必要があることが明らかとなった。 一方、ハイブリッド水酸化コバルトナノシートをモデル触媒として触媒層の成長過程を検討した結果、本触媒系におけるOER電流は触媒堆積量に比例し、単純なモデルにより説明できることが分かった。従って、高い耐久性を維持するためには、自己修復触媒を常に電極上に厚く堆積させることが有効であると示された。 以上より、本年度は高活性な触媒組成と、耐久性を維持するための条件を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究課題で目標としていた100 mA/cm2における酸素発生反応(OER)過電圧300 mV以下の目標に対し、同285 mV以下と目標を達成する成果を得た。また、自己修復触媒の触媒層形成、劣化メカニズムの検討においては、触媒層の活性支配因子を明らかにすると共に、触媒の結晶構造または粒子形態が劣化速度に影響を及ぼすことを明らかにした。これらの知見から、次年度において触媒の粒子形態を制御しつつ、電極上の触媒堆積量を維持する方法で目標となる10万サイクル以上ないし活物質追加による半永久的耐久性の達成を見通すことができる。従って、本年度の研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究では、触媒活性を維持したまま高い耐久性を実現するため、触媒粒子形態の制御と、電極上への触媒の担持量増大法を検討する。Fe3+を高濃度に含む試料では、結晶構造が層状構造からアモルファスへと変化してしまい、粒子形態もナノシートからナノ粒子へと変化した。Fe以外の元素はNi2+、Co2+であり、イオンの価数が影響していると考えられることから、Fe2+を原料に用い、酸化数を制御することで触媒の粒子形態制御に取り組む。触媒を電極上に高担持するためには、担持電流密度の増大を第一に検討し、これがうまく行かない場合には高担持が容易であるハイブリッド水酸化コバルトナノシートを添加物として用い、高活性触媒とハイブリッド水酸化コバルトナノシートの集合体を嘆じさせることで高担持の実現を目指す。
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[Presentation] Structure and Activity of Electrolytically Deposited Hybrid Cobalt Hydroxide Nanosheet for Self-Repairing Oxygen Evolution Reaction Catalysts2021
Author(s)
Ritsuki Nakajima, Tatsuya Taniguchi, Ayaka Oishi, Ikuo Nagashima, Akihiko Inomata, Yoshinori Nishiki, Zaenal Awaludin, Takaaki Nakai, Akihiro Kato, Shigenori Mitsushima, and Yoshiyuki Kuroda
Organizer
The 240th ECS Meeting
Int'l Joint Research
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