2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Protein-Protein Interaction Induced by Marine Natural Products
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20H02865
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系(副学長), 副学長 (90169839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 将人 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80511906)
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海洋産抗腫瘍性物質 / アプリロニンA / アプリシアセコステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、強力かつ特異な生物活性を持つ天然物の中から、研究代表者独自の化合物に注目し、これらの作用機序を解明するとともに、人工類縁体の設計・合成を通しての高活性化合物の発見、開発を目的とした。 海洋軟体動物から発見したアプリロニンAについては、その作用機序を明らかにするために必要な方法論を検討した。その結果、混合物の中から微量な目的ラベル化体を検出できる検出基を見出し、プローブを開発するための重要な知見を得ることができた。また、構造を簡略化することにより合成を容易にした人工類縁体を設計し、その合成研究を進めた。その結果、重要合成中間体を短工程で合成できる経路を開発した。さらに、アクチンと結合することが報告されている海洋天然物の側鎖部セグメントを合成し、側鎖部の生物活性を明らかにした。今後は、アクチン脱重合活性が確認された側鎖部類堰体を用いるハイブリッド化により設計、合成する人工類縁体を用いて、第2の標的分子であるチューブリンとの相互作用を明らかにする。 同じ海洋軟体動物から発見したアプリシアセコステロールについては、その細胞毒性の作用機序を明らかにするために全合成による量的供給を目指した。まず、生物活性に重要と考えられている三環性コアの合成をラジカル環化反応を用いて達成した。ついで、側鎖部分を連結するための方法論として、非常に反応性の高いエンジオンを巧みに合成したのち、ソフトなカルバニオンを用いる付加反応を利用する合成法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海洋動物試料の採集については、コロナの影響などにより、予定通りは成果が上がっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られている合成中間体を用い、目的化合物の合成を達成し、生物機能評価に進める。
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