2021 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of new target molecule using natural products: Toward development of anti tuberculosis molecules
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20H02869
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30271513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保野 陽子 九州大学, 理学研究院, 助教 (40736500)
荒井 雅吉 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80311231)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ペプチド / 抗菌活性 / 標的分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
結核の勢いが世界的に増す中で、結核に対抗するための新たなアプローチの開拓が喫緊の課題となっている。本研究では、新たなアプローチを開拓するための研究として、抗結核活性を有する天然物の未知の分子標的の解明を行う。抗結核作用を有する天然物アントリマイシンを題材に、全合成・アナログ合成とともにその分子標的を探索するケミカルバイオロジー研究を実施する。前年度までにアントリマイシンの合成経路を確立していたが、デヒドロアミノ酸を含むペプチド鎖の連結に課題が残されていた。この点は、反応条件を精査することによって収率の大幅な改善を達成した。また、本検討により、合成工程を12段階から10段階まで削減することに成功した。これを踏まえて分子標的探索に向けたプローブ合成中間体を数百ミリグラム合成できた。現在、プローブの足掛かりとなるリジンやセリンなどを導入したアナログの合成を進めている。他方アッセイによるアプローチを検討した。M. bovis BCG由来のゲノムDNAライブラリーをM. smegmatisに導入し、ランダムにM. bovis BCG由来のタンパク質を高発現した形質転換株を作成した。この中から、アントリマイシンに耐性を示す形質転換株のスクリーニングを行ったところ、いくつかの候補株を取得できた。これにより、アントリマイシン耐性遺伝子解析による標的分子の決定に向けたステージが整った。天然物の全合成研究成果については、学会(2件)に発表した。また、COVID-19の影響によって順延されていた国際学会への参加と、遅れていた化合物の分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成課題の一部を解決できたことで、プローブ合成に向けた基盤が整った。並行して進めている、耐性株の絞り込みからのゲノム解析も進展しつつある。研究はおおむね順調に進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
標的タンパク質の同定に向けたプローブ分子の合成を進める。具体的には天然物のN末をリジンやセリンなどに置換したアナログを合成し、まず、それらの抗菌活性を調べる。活性が維持されていることを確認次第、蛍光分子、光親和性基、ビオチンなどを付与したアナログの合成と活性評価を行う。あわせて、アントリマイシンに耐性を示す形質転換株の遺伝子解析を進め、耐性を付与する遺伝子(タンパク質)の絞り込みを行う。
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