2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of gene-directed caged compounds
Project/Area Number |
20H02882
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 教授 (90231571)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光スイッチ / ケージド化合物 / 遺伝子指向性 / 細胞内シグナル / 光薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
記憶や学習などの脳の高次機能の解明,あるいは,がんに代表される難治性疾患発症の分子機構の解明に貢献するような新しい実験技術の開発を目指した。既存のケージド化合物の欠点を克服して,光遺伝学と小分子性プローブの利点を併せ持つような遺伝子指向性ケージド化合物を開発した。予め選択した酵素存在下で光活性化能を獲得することを可能にする“Lock-and-Key”型ケージド化合物を設計して,細胞種選択的な光操作を実現するための要素技術の開発を目的にした。 R3年度までの研究で,複数種のKey酵素とLockペアを用いて遺伝子指向性ケージド化合物の候補分子を開発したので,引き続き,哺乳動物培養細胞を用いてコンセプトの実証を試みた。豚肝臓エステラーゼ(PLE)をKey酵素にした,エピジェネティクス関連酵素阻害剤の遺伝子指向性ケージド化合物を用いて,標的細胞選択的にヒストン脱アセチル化活性を光照射で抑制できることを明らかにした。環状ヌクレオチド,リアノジンレセプターのアゴニスト,Kチャンネルのブロッカー等への応用を図ったが,PLEを発現しない哺乳動物細胞の内在性エステラーゼにも応答してしまう問題点も明らかになった。β-ガラクトシダーゼをKey酵素とするケージド化合物に細胞膜透過性を付与した,改良型の光分解性保護基を開発して,環状ヌクレオチドの遺伝子指向性ケージド化合物の合成に応用した。標的遺伝子を発現する哺乳動物培養細胞選択的に,CNGチャンネルを光活性化できることも明らかにした。臓器のモデルとしてショウジョウバエの単離脳を選び,cAMPの蛍光インジケーターEpac1-campsをキノコ体に発現したハエの単離脳で,フォルスコリン添加後のcAMP濃度上昇を観察できることも確認した。培養細胞を用いる概念実証実験の結果を踏まえて,単離臓器やモデル生物個体で検証するフェーズに入ったと考えている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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