2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内共生成立後の宿主による根粒菌選別機構の解明と土壌根粒菌叢への影響の評価
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20H02884
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70370921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宿主-根粒菌相互作用 / Cheating根粒菌 / 宿主制裁機構 / 水平伝搬 / G x G 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿主によるCheating根粒菌(感染能力を持つが窒素固定を行わない根粒菌)への制裁機能の欠失変異体(pink4変異体)を用いて、圃場から単離した窒素固定レベルの異なるCheating根粒菌株を用いて、pink4変異体とその親株のMG-20系統にそれぞれ接種して形成された根粒組織の電子顕微鏡観察を実施した。その結果、MG-20系統においては、Cheating根粒菌の接種で形成されたシンバイオソームが膜系成分に包含され、消化される現象が観察され、接種した菌の窒素固定レベルに応じて溶菌レベルが異なることを見出した。一方、pink4変異体においては、野生型根粒菌の接種した場合と同様のシンバイオソームが、Cheating菌接種でも観察され、溶菌反応がPINK4遺伝子の機能に依存して生じていることが示された。 PINK4遺伝子の同定を目的として、野生型Gifu 系統とpink4変異体の掛け合わせF2集団の表現型解析を行い、変異体の表現型を示す個体をバルク化してゲノム配列解析を行い、1つの候補遺伝子を同定した。ミヤコグサの挿入変異系統ライブラリから、同定した候補遺伝子への挿入がある系統を3系統選抜し、表現型解析を行った結果、いずれもpink4変異体の表現型を示すことが確認され、PINK4遺伝子を確定した。この遺伝子は、機能未知の遺伝子であったが、マメ科植物だけでなく、被子植物に広く保存されている遺伝子であった。また、昨年度実施したRNA-seqデータからPINK4遺伝子は非接種の根で発現しており、正常な根粒菌を接種した場合には発現レベルが減少し、Cheating根粒菌を接種した場合には発現レベルが減少しないことを明らかにした。このことから、PINK4は、被子植物に一般的な防御反応を担っており、正常な根粒菌との共生時にはその機能が抑制されることで共生が維持されることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)