2022 Fiscal Year Annual Research Report
未培養原生生物1細胞ゲノム解析系の確立とシロアリ腸内木質分解性原生生物の機能解明
Project/Area Number |
20H02897
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本郷 裕一 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90392117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 明徳 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (40378774)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 原生生物 / シロアリ / 共生 / 1細胞ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、未培養原生生物(単細胞真核生物)の1細胞ゲノム解析手法の確立である。環境中には多様な原生生物が生息するが、未培養種も多く、それらの生理・生態は未知である。本研究ではシロアリ腸内原生生物群集を材料とするが、それらはシロアリの餌である木材の分解発酵の主要部分を担うと考えられているものの、純粋培養成功例は無く、詳細な機能は不明である。ゲノム解析を行うにしても、原生生物細胞ごとに系統が異なる可能性が高いため、単一細胞 からのゲノムと(ゲノム解析補助のための)網羅的転写産物を同時に解析する必要がある。その技術的困難により、原生生物1細胞からの高完成度な新規ゲノム解読例は無く、1細胞転写産物解析も容易ではない。前年度までに、シロアリ腸内原生生物の核ゲノムDNA配列、同一細胞の網羅的転写産物配列、さらに約10種もの細胞共生細菌のメタゲノム配列(細菌種ごとに仕分け済み)を取得している。 2022年度は、原生生物核ゲノムと細胞共生細菌各種のゲノム解析を進めて、それぞれの代謝系を網羅的に推定した。その結果、シロアリ腸内原生生物は多数の木質消化酵素遺伝子(発現も確認)と解糖系を持つ一方で、窒素化合物はほとんど全く合成できないことが判明した。他方、各種細胞共生細菌は、多様な窒素化合物を合成可能であったり、窒素固定、窒素再利用系を持つなどしており、原生生物にとって絶対的に必要な共生体であることが初めて確認できた。以上は、本課題で確立した原生生物1細胞からのゲノム解析手法によって、初めて高精度に推定できたことである。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)