2021 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of selenium metabolisms and diversity of their molecular mechanisms in microbes
Project/Area Number |
20H02907
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
三原 久明 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セレン / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. セレンオキシアニオン還元酵素の同定と反応機構解明 本研究代表者らが見出したG. sulfurreducensのマルチヘムセレンタンパク質について、詳細な生化学的解析を加えた。従来よりも対象となる化合物を広げて本酵素の基質特異性について検討したところ、本タンパク質は亜セレン酸還元活性よりも高いポリスルフィド還元活性を示すことが明らかとなった。また、ジメチルトリスルフィドにも若干活性を示すことが分かった。一方で、テトラチオン酸やチオ硫酸には活性を示さなかった。本酵素のX線結晶構造解析の結果から、基質の入り口と産物の出口に相当するトンネル構造が存在することが明らかとなった。 2. 細胞外セレンナノ粒子の生成機構の解明 透過型電子顕微鏡 (TEM) を用いて大腸菌のセレンナノ粒子(SeNPs)生成と排出メカニズムの解明を試みた。亜セレン酸添加・非添加培地で培養した細胞をネガティブ染色し、TEMで観察したところ、細胞質および細胞外にSeNPsが観察された。細胞外SeNPsから抽出した成分をメチルエステル化してGC/MS分析を行った結果、細胞膜に由来する脂肪酸のピークが検出された。次に、細胞膜透過性のジチオトレイトールを用いてSeNPsを還元・溶解させ、その残骸をTEMで観察したところ、SeNPsと同程度の大きさのリポソーム様の構造物が見られた。一方で、細胞膜を透過できないチオレドキシンシステムを用いたところ、SeNPsの還元・溶解は見られなかった。以上より、大腸菌によって細胞外に排出されたSeNPsが膜に包まれていることが示され、SeNPsは細胞質内で形成され、膜小胞を介して排出されることが示唆された。大腸菌によって細胞外に排出されたSeNPsが膜に包まれていることが示され、SeNPsは細胞質内で形成され、膜小胞を介して排出されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
G. sulfurreducensのマルチヘムセレンタンパク質の新たな機能の解明に成功した他、大腸菌が生産するSeNPsが生体膜に包まれていることを世界で初めて示すことに成功した。これらの成果により、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き申請書の計画に沿って研究を進める。次年度が本研究課題の最終年度にあたるため、成果のまとめと発信にも注力する方針である。具体的には、G. sulfurreducensのマルチヘムセレンタンパク質の機能と構造について論文にまとめ、学術雑誌に投稿する。また、SeNPsの生成メカニズムに関する研究をさらに詰め、論文としてまとめ、学術雑誌に投稿する計画である。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Excretion of biogenic selenium nanoparticles depends on outer membrane integrity in Escherichia coli2021
Author(s)
Ochi, A., Tobe, R., Toyotake, Y., Izu, Y., Imai, T., Mihara, H.
Organizer
Goldschmidt 2021
Int'l Joint Research
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