2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H02912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小段 篤史 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (80360543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体分子 / 膜蛋白質 / 立体構造 / 分子メカニズム / 機能ー構造相関 / コレステロール / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト由来の脂質輸送型ABCタンパク質を対象とし、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析、生化学的解析、及び細胞生物学的解析などの多面的な解析により、脂質輸送型ABCタンパク質の作用機構と生理的役割を解明すること目的とする。ABCタンパク質は12-17 回膜貫通αへリックスをもつ蛋白質であり、特にABCA1は2261アミノ酸残基の大きな膜タンパク質である。そのため、機能を保持したまま大量に精製することは容易ではない。2021年度は、機能状態に近いABCA1立体構造を決定することを目指し、脂質ナノディスクへ再構成したABCA1試料を用いてクライオ電子顕微鏡によるデータ収集および単粒子解析を実施した。ヒトABCA1をヒト由来のFreeStyle 293細胞を用いた一過性発現系により発現させ、活性を保ち単分散性の高い状態で精製サンプルを取得し、精製ABCA1を脂質ナノディスクへ再構成した。試料を負染色解析することにより、単分散性が良好であることを確認した後、クライオ電子顕微鏡解析のためのグリッド作製を実施した。試料の溶液条件、タンパク質濃度、グリッドへのアプライ量、ろ紙によるブロット時間等、データ収集のために最適な条件を決定した。作製したグリッドを用いて、クライオ電子顕微鏡によるデータ収集を行い、単粒子解析を実施したところ、ABCA1粒子の二次元平均像さらには初期三次構造を得ることができた。現在、三次構造のさらなる精密化を行っており、今後、機能状態に近いABCA1立体構造を明らかにできると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クライオ電子顕微鏡による単粒子解析において、ABCA1の初期三次構造を得ることができ、機能状態に近い脂質輸送型ABCタンパク質の立体構造解明に向け大きく前進したため。
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Strategy for Future Research Activity |
マップ分解能が4Åより高解像度になり次第、3次元モデルの構築と精密化を実施し、脂質を結合した蛋白質の立体構造を捉える。脂質輸送体としての機能、さらには、apoA-I受容体としての機能にとって重要なアミノ酸残基を同定するため、変異体を作製し機能解析を実施する。生化学的解析、及び細胞生物学的解析を実施し、脂質輸送型ABC 蛋白質の作用機構と生理的役割を明らかにする。
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Research Products
(1 results)