2020 Fiscal Year Annual Research Report
Temporal-spatial analysis of nutrient flow in the gastrointestinal tract and development of the artificial organ for flow sensing
Project/Area Number |
20H02932
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷 史人 京都大学, 農学研究科, 教授 (70212040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 涼輔 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (40390695)
池川 雅哉 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60381943)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消化管 / メカノストレス / CRISPR/Cas9法 / イメージング質量分析法 / 腸内環境 / リンパ組織 / 遺伝子改変マウス / カルシウムセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管上皮細胞に発現している膜受容体PIEZO1とP2X4のメカノストレス応答を検証するために、ヒト骨髄性細胞HAP1を用いて各受容体欠損株の作製に成功し、メカノストレスに対する両受容体の作用機序を解析した。HAP1野生株及び変異株に対して、ずり応力負荷に伴う細胞応答をカルシウムイメージングにより測定した結果、2 Paの刺激ではいずれの細胞株でも刺激に対して迅速な応答が見られたのに対して、1 Paあるいは1.5 Paの刺激では、その強度に依存して異なる応答の様相を呈することを見出した。 イメージング質量分析法を用いた代謝物の一個体レベルでの可視化を、マウスを用いて可能にした。この解析対象組織には、胸腔内のリンパ組織や骨髄、脊髄などを含む冠状断と消化管を含む矢状断の作製が有効であり、特に、後者の作製には特殊なミクロトームを用いた解析法の開発が重要となる。また、消化管の解析では、生体側の情報に加えて腸内環境を形成している管腔側の分子局在についても同じ切片上で解析することが可能となった。 食物応答レポーターマウス作製に必要となる基盤的情報の取得を行った。具体的には下記の二項目を行った。(1) 腸管細胞においては食物に応答してカルシウム濃度が上昇することが知られている。そこで、生きたマウス腸管による食物応答をリアルタイムで測定するためにカルシウムセンサーを用いて、カルシウム濃度変化を測定することとした。本マウス作製に用いるカルシウムセンサーの選択を行い、GCaMPが適していることを明らかにした。(2) GCaMPを生きたマウス体内で発現させるために必要となるマウス系統(B6-Gt(Rosa)26Sor<tm1(CAG-GCaMP6,-mCherry)Shi>)を導入した。繁殖は順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変動物の作製実験がコロナ禍により若干遅延していたが、食物応答レポーターマウス作製のための基盤的情報が得られたことや消化管内での流動挙動と粘度との相関性を明らかにし、生理学的栄養効果への検討に移行できた点はおおむね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
一倍体細胞HAP1を用いてPIEZO1とP2X4両受容体の欠損株を作製できたことから、同gRNAを用いて二倍体の腸由来の上皮細胞に対してCRISPR/Cas9法を適用し、ムチン産生能をもつHT29-MTX細胞株および咽頭由来のDetroit562細胞株の各受容体欠損株を樹立し、ずり応力負荷に伴う細胞応答をカルシウムイメージングにより測定する。阻害剤共存下やsiRNA法とも組合せてメカノストレスに対する両受容体の作用機序を確証する。 また、イメージング質量分析法を用いた腸管内代謝物の可視化を、マウス個体レベルのほかに腸管をスイスロール型に処理し、空間分解能を向上させた解析法の確立を目指す予定である。 次に、前年度に引き続き、上記(1) (2)を進める。(1) 実際に解析に用いる腸管細胞を用いて、GCaMPによるカルシウム濃度変化測定の実験条件を確立する。確立でき次第、DNA組み換え酵素Cre依存的にGCaMPを発現する遺伝子改変マウスを作製する予定である。(2) Ai65マウスに対してCreを発現させ、腸における赤色蛍光タンパク質の発現を形態学的に解析することを目指す。
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[Presentation] DIUTHAMEを用いたアルツハイマー病(AD)脳の迅速MALDI質量分析イメージング2020
Author(s)
外山友美子, 武笠結天, 新谷 祈, 徳平壮一郎, 大村孝幸, 小谷政弘, 田代 晃, 角田伸人, 韮澤 崇, 村山繁雄, 内藤康秀, 池川雅哉
Organizer
第45回日本医用マススペクトル学会年会
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