2020 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-omics analysis of dietary microRNAs and metabolites toward functional food pairing
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20H02935
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤村 由紀 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20390304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 宏文 九州大学, 農学研究院, 教授 (70236545)
三浦 大典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40532627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機能性フードペアリング / 代謝物 / マイクロRNA / オミクス解析 / センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食機能が一連の構成成分の協調的作用の上に成り立つとのコンセプトの下、特定成分の組合せで顕在化する機能性を効果的に享受できる食べ合せ「機能性フードペアリング」に資する、食機能に特徴的な成分間相互関係を解明すべく、ポリフェノールを含む低分子代謝物群およびマイクロ RNA 群間の関係性を検討する。そこで、数十種類の緑茶品種の熱水抽出物ライブラリーを用いて、機能性の指標として血液凝固阻害因子の遺伝子発現に与える影響と成分プロファイルデータを多変量解析(メタボリック・プロファイリング解析)に供した。その結果、特定品種に多く、かつ、血液凝固阻害因子の遺伝子発現上昇に寄与するポリフェノール成分を複数同定した。また、それら成分の構造活性相関や成分間の組合せ解析を行なったところ、単独では何ら活性を示さなかった成分を特定成分と組み合わせることで、新たに生理活性が顕在化することを見出した。また、緑茶の主要な生理活性成分であるEpigallocatechin-3-O-gallate (EGCG)の67-kDaラミニン受容体を介した生理活性発現に、チロシンキナーゼの一種であるSrcが関与することを明らかにした。EGCGの新たな生体感知力(センシングインデックス)の指標として機能し得るため、緑茶抽出物ライブラリーを用いた解析を進めている。一方、植物由来の特定のマイクロRNAが肺繊維化抑制作用を示すことを新たに見出した。現在、肺繊維化抑制作用をはじめとした多彩な生理作用を有する緑茶抽出物中のマイクロRNAの探索ならびにそれらのポリフェノール成分との活性相関性について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による予期せぬ時間的制限によって、従来予定していた研究計画の一部の進捗状況がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度進捗が遅れている次世代シーケンシングによるマイクロRNAの網羅的解析を推し進めると共に、新たに機能性評価指標となり得るセンシングインデックス候補の妥当性評価や組合せ抽出モデルのファインチューニングを試みる。
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