2022 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズにおけるフラン脂肪酸生合成経路の解明とその農業特性に与える影響に関する研究
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20H02960
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
穴井 豊昭 九州大学, 農学研究院, 教授 (70261774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 啓史 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40425541)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイズ / 突然変異体 / フラン脂肪酸 / 明所臭 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズ油脂は、世界で年間約3.3億トンが生産されており、全植物油脂生産量の約3分の1を占めている。しかしながら、ダイズ油脂は、光照射により劣化が促進され、明所臭と呼ばれる独特の不快臭を発生することが知られており、その利用の際に問題となっていた。最近になって、この明所臭の原因がダイズ油脂中に含まれる微量脂肪酸であるフラン脂肪酸であり、フラン環の光による開裂と光酸化によって生じる3-methyl-2,4 nonanedione(3-MND)が明所臭の原因であることが明らかになった。そこで我々は、このフラン脂肪酸をほとんど合成しないダイズ突然変異体を単離した。本研究では、その原因遺伝子の同定とその機能の解明、育種素材としての評価を進めることを目的として研究を進めた。 具体的には、得られた複数の低フラン脂肪酸ダイズ変異体をトヨシロメと交配してF2集団を作成し、低フラン脂肪酸の表現型を示す複数の個体からゲノミックDNAを抽出し、得られたバルクDNAを次世代シークエンサーにかけ、原因遺伝子の特定を進めるとともに、特定された原因遺伝子を過剰発現させたダイズ毛状根を用いて、これらの遺伝子がフラン脂肪酸生合成経路に、どの様に関わっているのかについても研究を行った。また、これらの変異体を戻し交配して作成した高フラン脂肪酸系統の生育を詳細に解析することにより、フラン脂肪酸の低下が、ダイズの農業形質に与える影響を明らかにするともに、植物体におけるフラン脂肪酸の生理的機能についても解析を試みた。さらに、これらの高フラン脂肪酸系統から得られたダイズ油脂について、精油加工した後の「明所臭」発生についても評価を行い、製品化した際の効果についての検討も行った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)