2020 Fiscal Year Annual Research Report
イネNAM集団を用いた新規ゲノム予測手法による遺伝子同定とネットワーク解明
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20H02962
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
阿部 陽 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 主席研究員 (80503606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 和也 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 研究員 (40804703)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イネ / GWAS / Genomic prediction / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネNested association mapping集団約2,800系統の遺伝子型データ(27万SNPs)および4ヵ年分の形質データ(一穂籾数、止葉葉身幅)を用いて形質予測モデルの構築および検証を行った。機械学習アルゴリズム「LightGBM」を用いた、決定木勾配ブースティング法 (Gradient-boosted decision tree, GBDT)による形質予測モデルを構築した。交差検証の結果、線形回帰モデルやLASSOによる予測モデルと比べて、GBDTの予測精度が高かった。一穂籾数における重要度 (feature importance) の高いSNP近傍の遺伝子を調べたところ、Gn1aやFZPなど効果の大きな既知遺伝子を的確に捉えていると推察された。一方で、重要度が高いものの既知遺伝子が不明なSNPも多く検出しており、それらSNPの近傍に実際に関与する遺伝子が存在するか実験的に証明を行うことが重要であると考えられた。 NAM集団を4つのEcotypeに分けてGBDTによって得られた、Ecotypeごとの重要度の高いSNPについて、各Ecotypeから一穂粒数が増える方向に重要度の高いSNP(ゲノム領域)を決定し、temperate-japonicaの「ひとめぼれ」およびindicaの「タカナリ」に交配よって集積させるための交配を開始した。同様に、葉身サイズが拡大する方向への集積も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規の形質予測モデルととして、決定木勾配ブースティング法を検証し、予測精度が高いことを示した。一穂籾数に関する候補遺伝子の形質転換体作出を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
新規の形質予測モデルの検証をさらに進める。とくに、最適なSNPs数の検証やハプロタイプを用いたモデル構築など、より予測精度の高いモデルの構築を進める。一穂籾数に関する候補遺伝子(転写因子)と相互作用すると考えられる遺伝子について、イネ培養細胞を用いたレポーターアッセイにより、相互作用の解析を行う。遺伝学的な証明実験に必要な形質転換体の作出を進める。
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