2020 Fiscal Year Annual Research Report
Characteristics of rhizome coloration and its inheritance in the world's first red rhizome lotus 'Tomohiro'
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20H02978
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾崎 行生 九州大学, 農学研究院, 教授 (60253514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 郁夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 教授 (20182024)
増田 順一郎 宮崎大学, 農学部, 准教授 (60452744)
山形 悦透 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00600446)
水ノ江 雄輝 九州大学, 農学研究院, 助教 (50759206)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レンコン / 食用ハス / 赤色根茎 / DNAマーカー / RAD-seq解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物におけるアントシアニン色素関連遺伝子の異所的発現の仕組みを明らかにすること、ならびに生産性の高い赤色根茎レンコン品種育成を実現させるための根茎着色形質の方法論の確立を最終的な目標とし、レンコンにおける根茎着色メカニズムの解明ならびに根茎着色形質の遺伝様式の解明とマーカー構築をめざしている。 「赤色色素の同定」では、赤色レンコン‘友弘’に含まれる赤色色素として、デルフィニジン-3-グルコシド、シアニジン-3-グルコシド、ペチュニジン-3-グルコシド、ペオニジン-3-グルコシド、マルビジン-3-グルコシドの合計5種類のアントシアニン配糖体を同定した。「色素生合成関連遺伝子群の発現解析」では、アントシアニン生合成関連遺伝子の相同性遺伝子の検索を行った。「栽培環境と根茎着色との関連解析」では、紫外線除去フィルムならびに対照(紫外線透過性)フィルム内で栽培した赤色レンコン‘友弘’の肥大根茎着色を比較した結果、有意な差が認められなかった。「根茎着色形質の遺伝様式の解明」では、赤色レンコン‘友弘’と短幼若性(易開花性)品種の交雑後代(雑種第一代(F1)、雑種第二代(F2)、戻し交雑第一代(BC1))を育成し、根茎色の遺伝様式を明らかにした。さらに各個体から抽出したDNAを用いたRAD-seq解析により、赤色個体と白色個体間で異なるSNPを検出し、これを元にして作成したdCAPSマーカーが赤色根茎形質と連鎖していることも確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤色色素同定に関する実験では、色素の抽出・精製が困難で、手法の検討に時間を要したが、様々な検討を進めた結果、粗抽出液を吸着型カラムクロマトグラフで精製した後に分配型カラムクロマトグラフによってアントシアニンを含む分画のみを分けることによって、HPLCならびにLC-MS/MS分析に供試可能な試料を調整することができ、当初の計画よりも早く色素の同定に成功した。一方、色素生合成関連遺伝子群の発現解析については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う実験施設の使用制限等のため、当初の計画よりも少し遅れている。栽培環境と根茎着色との関連解析については概ね計画通りに順調に進展しており、根茎着色形質の遺伝様式の解明については、計画よりも少し早く進展している。 以上のことから、全体として「(2)おおむね順調に進展している」と自己点検評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
赤色色素同定に関する実験では、現時点で未解明の色素はなく、すべて同定することができている。今後は肥大根茎と花弁における色素構成の比較、さらに時期別のアントシアニン構成の変動の有無について調査する。色素生合成関連遺伝子群の発現解析については、前年度の赤色根茎サンプルと比較対照の白色根茎サンプルの採取ができていることから、同サンプルを用いたアントシアニン生合成関連遺伝子群の発現解析を進める。栽培環境と根茎着色との関連解析では、地上部への紫外線照射による根茎着色への影響について調査する。根茎着色形質の遺伝様式の解明では、最新ゲノムを用いたさらなるRAD-seq解析を進め、複数のCAPS/dCAPSマーカーを作成して連鎖解析を行う予定である。
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