2023 Fiscal Year Annual Research Report
「オルガネラ様防衛共生体」の基盤解析から応用展開へ
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20H02998
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中鉢 淳 豊橋技術科学大学, 先端農業・バイオリサーチセンター, 准教授 (40332267)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | diaphorin / Profftella / ribosome / in vitro gene expression / RNA-seq / electron microscopy / bacteriome / genome analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に以下の成果を得た。1)大腸菌と枯草菌のリボソームを利用した再構成型無細胞タンパク質合成系に対するディアフォリンの効果を検証し、ディアフォリンは5 mMの高濃度ではいずれの系に対しても阻害的に働くのに対し、50 μM~500 μMの濃度範囲では、これらの系のタンパク質合成を促進することを明らかにした。これは、ディアフォリンによる細菌の増殖・代謝制御活性の標的の少なくとも一部が、遺伝子発現系である可能性を示唆する。2)当初計画に加え、あらたにディアフォリン処理時の大腸菌・枯草菌のRNA-seq解析に着手し、両細菌間でディアフォリンに対する挙動が異なる原因について、重要な示唆を得た。3) 4系統のグラム陰性細菌と2系統のグラム陽性細菌を用いて、培養時のディアフォリン添加の効果を検証し、ディアフォリンの対細菌スペクトルについての知見を得た。4) ディアフォリン産生細菌「Profftella」を収納するミカンキジラミDiaphorina citriの共生器官「バクテリオーム」を透過型電子顕微鏡で観察し、Profftellaや一次共生細菌Carsonella、宿主細胞の特異な微細構造を解明した。5) Diaphorina属の複数種キジラミに由来するProfftellaとCarsonellaのゲノム解析を進めた。 6) 新規Profftella系統探索の一環として、ネッタイキジラミ科6種とタデキジラミ科4種の共生細菌叢解析を行い、植物病原体であるPectobacteriumに近縁ながら病原性を示さず、近年多様な無脊椎動物から共生細菌として検出されているSymbiopectobacteriumの系統を世界で初めてキジラミ類から検出するなど、多様な細菌叢を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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