2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the saliva-assisted pathogen transmission mechanism in the tick vector
Project/Area Number |
20H03001
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
八田 岳士 北里大学, 医学部, 准教授 (00455304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 哲也 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (00322842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SAT / マダニ媒介感染症 / 唾液分子 / フタトゲチマダニ / RNAi / HLHBP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトからヒトまたは動物からヒトに感染症を伝播する能力をもつベクターは、吸血時に宿主体内へ注入する唾液が宿主免疫系を抑制的に制御し病原体伝播を促進する(SAT)。研究代表者は、マダニの唾液分子ロンギスタチンに、皮膚炎症抑制効果が存在することを示してきたが、SAT現象の存否については解明できていない。そこで、マダニ刺咬部の微小環境における唾液・宿主免疫系・病原体の三者間のインタラクトームに着目し、宿主免疫系に作用する唾液分子について、in vitroの免疫細胞実験や遺伝子抑制マダニを使った分子機能解析を通して網羅的に同定する。 ①Bite site インタラクトーム解析:これまでに実施した解析の結果から、マダニの吸血に必須のBlood pool(BP)形成が、マダニ側唾液分子とこれに対する反応としての宿主側要因の両面で構築される現象との考察を、宿主皮膚病理組織学的解析結果より得ることができた。例えば、マダニの吸血に対する宿主皮膚の好中球を主体とする防御応答の後、皮下毛細血管は積極的な血管新生像を呈することが見いだされた。新生血管は脆弱であり、マダニの唾液分子による継続的な刺激は、宿主免疫細胞に継続的な防御応答を負荷するため、新生血管を容易に破綻せしめるものと示唆される。 ②新規分子ヒスタミン結合タンパク質HLHBP1の機能解析:HLCBP1の配列類似性検索から、新たにヒスタミン結合ドメインを有するHLHBP1を見出した。本遺伝子のノックダウンマダニは、緩慢吸血期における体格増大が緩やかであったにもかかわらず、迅速吸血期には対照区を超える増大と飽血体重を呈した。興味深いことに産卵数など繁殖効率に変化を認めなかったことから、宿主炎症性サイトカインであるヒスタミンの存否が吸血成分の変化に寄与したことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] RNA activation in ticks2023
Author(s)
Kwofie Kofi Dadzie、Hernandez Emmanuel Pacia、Anisuzzaman、Kawada Hayato、Koike Yuki、Sasaki Sana、Inoue Takahiro、Jimbo Kei、Mikami Fusako、Ladzekpo Danielle、Umemiya-Shirafuji Rika、Yamaji Kayoko、Tanaka Tetsuya、Matsubayashi Makoto、Alim Md Abdul、Dadzie Samuel Kweku、Iwanaga Shiroh、Tsuji Naotoshi、Hatta Takeshi
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 13
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 2022年度神奈川県立津久井湖城山公園マダニ調査報告2023
Author(s)
神保 惠, Danielle Ladzekpo, 川田 逸人, Meryem Behri, 小池 優貴, 佐々木 紗己, 佐々木 萌可, 中島 政斗, 上松 史尚, 松田 洋志郎, 三角 修斗, 三上 房子, 辻 尚利, 八田 岳士
Organizer
PPEZ2023
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[Presentation] Demonstrating the presence of RNA activation in Ticks2023
Author(s)
Kofi Dadzie Kwofie, Emmanuel Pacia Hernandez, Anisuzzaman, Hayato Kawada, Yuki Koike, Sana Sasaki, Takahiro Inoue, Kei Jimbo, Fusako Mikami, Danielle Ladzekpo, Rika Umemiya-Shirafuji, Kayoko Yamaji, Tetsuya Tanaka, Makoto Matsubayashi, Md Abdul Alim, Samuel Kweku Dadzie, Shiroh Iwanaga, Naotoshi Tsuji, Takeshi Hatta
Organizer
PPEZ2023
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