2022 Fiscal Year Annual Research Report
ホタルの全ゲノム情報と人工飼育ホタルを用いた、昆虫の新奇形質獲得メカニズムの解明
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20H03002
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大場 裕一 中部大学, 応用生物学部, 教授 (40332704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 輝幸 基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 教授 (00293712)
重信 秀治 基礎生物学研究所, 超階層生物学センター, 教授 (30399555)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物発光 / ホタル |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘイケボタルの点滅発光パターンをビデオ記録し、オスとメス、さらには交尾前と交尾後のメスで点滅パターンが異なることを見出した。パターン解析の結果、異なっているのは発光時間(flash duration)とまたたき強度(flicker intensity)に2パラメータであることを見つけた。さらに、緑色LEDとマイクロコントローラーを使ったさまざまなパターンを発生する装置「電子ホタル」によるオスの誘引実験を行った結果、オスはこの2パラメータを判別して未交尾メスを認識していることを見出した。本研究により、ヘイケボタルが「またたき」という非時間的パラメータを使って光コミュニケーションしていることが初めて明らかになった(Takatsu, Minami, and Oba, 2023. Scientific Reports)。 ヘイケボタルにpupal RNAiによってdoublesex遺伝子のノックダウンを行ったところ、形質が現れた個体は僅かだったが、形態に変化は見られなかったものの発光パターンに変化がみられたものが1個体だけ得られた。このことは上記の結果と合わせて考えると、蛹の段階で形態ではなく脳の性分化が起きていることを示唆する新しい結果である。ただし、得られた変異個体がわずかであったため、今後は幼虫を使ったlarval RNAiも同時に進める予定である。 ヘイケボタル黒化型変異体系統のF2を得て、そのゲノムリシーケンスを行った。このデータを用いて、黒化型の原因遺伝子を探索中である。黒化個体の解剖学的特徴として、複眼の透明クチクラが完全に黒化して光を通さない構造になっていることを見出した(大場ら、2023)。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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