2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of adaptive and neutral evolution processes in Fagus crenata using population genomics
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20H03027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸丸 信弘 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50241774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥丸 猛 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10546427)
内山 憲太郎 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40501937)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一塩基多型 / RAD-seq / リファレンスゲノム / 遺伝的多様性 / 集団遺伝構造 / 適応的遺伝変異 / 集団動態の歴史 / 小進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の研究成果が得られた。 (1)ブナのドラフトゲノムの作成:昨年度にフェージングしたブナのドラフトゲノムに対して、Omni-Cと3D-DNAによるハイブリッドスキャホールディングを再度実施した。その結果、アセンブリサイズ約539Mbp、623本のスキャホールド配列が得られた。そのうち、最も長い配列12本において合計アセンブリサイズ約518Mbp、N50が45Mbpであった。遺伝子構造アノテーションの結果、約3万5千個の遺伝子が推定され、それらの遺伝子配列の平均長は約3.5kbpであった。また、散在性反復配列がゲノム全体の51.2%に占めていた。これらの遺伝子は、双子葉類の遺伝子コアセットの約97%と高い相同性が認められた。さらに、相同性検索の結果、約3万2千個(92.7%)について遺伝子機能アノテーションがなされた。 (2)ブナ集団の歴史(中立進化)の推定: 3つの集団系統(日本海側、太平洋北側、太平洋南側)に基づき4つの分岐モデルを構築し、24集団合計144個体の塩基配列データを用いて、コアレセントシミュレーションを行い、各パラメータを最尤推定し、AICで最適モデルを選択した。解析の結果、鮮新世から第四紀の寒冷化による地理的分布の分断化により、まず日本海側と太平洋側の系統に分化し、その後、さらに太平洋側の系統が南側と北側の2系統に分化したこと、および更新世中期後半以降の温暖期に、集団系統の分布拡大に伴って二次的接触が起こり、集団間の遺伝子流動が著しく増加したことが推定された。 (3)結果の取りまとめ: 得られた結果から、ブナ種内における3つの集団系統(日本海側、太平洋北側、太平洋南側)による集団構造は、主に中立進化の帰結であると考えられたが、集団系統の間には気候勾配に関連した多様化選択による適応的差異が生じていることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)