2021 Fiscal Year Annual Research Report
Pause is the driving force? Actual measurement of a phloem transport model considering the diurnal cycle of sink and source
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20H03030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
檀浦 正子 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90444570)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 師液流モデル / 森林炭素循環 / 13Cパルスラベリング / シンクソース / 日周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
桐生ヒノキ林において、気象観測用タワーの近傍の樹高20.4mのヒノキを対象木とし、2020年度に引き続き、2021年度4月15日および25日に春季の13Cパルスラベリングを行った。ラベリングによる13Cが幹呼吸として放出されるまでの時間を測定するために、幹の4高度に設置した幹呼吸測定用チャンバーとレーザー式安定同位体測定装置を繋いで測定を行った。マイクロコアを用いて樹皮をサンプリングし、顕微鏡切片を作成し、幹の上部から下部にかけての師管の大きさや師部厚の違いを評価した。その結果、秋のラベリングと比較して、幹での滞留時間が非常に長く、シンク器官が地上部の幹上部であることが示唆された。その後も炭素安定同位体の測定を続けていたが、2021年7月よりレーザー式安定同位体測定装置の調子がわるくなったため、メーカーに連絡し、現場でインターネットに接続しリモート診断を受けるなどを行い、現場での測定を継続したが、やはり調子がわるく、安定した計測が不可能であったため、バルブのリークが疑われた。そのため2022年1月にメーカーに送り返し修理を依頼した。メーカーでインレットバルブの交換などを行った。そのため、初夏および秋季に計画していた13Cパルスラベリングによる師部輸送速度の季節変動の測定はできず、来年度に持ち越すことになった。2020年度に設置した土壌中のスキャナ法による細根動態観察についての測定を継続し、その画像解析手法について、論文として投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
春季のラベリングは実行できたが、レーザー式安定同位体測定装置が故障し、測定の中止を余儀なくされ、夏に計画していたラベリングを行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー式安定同位体測定装置を修理し、再度現場に配置して、来年度のラベリングを目指す。ラベリング後には高度別にマイクロコアを用いて樹皮のサンプリングを行い、師部の通道面積を評価する。3月に再度設置したマイクロデンドロメータによる師部厚と木部の測定を継続する。またスキャナの画像を解析し、伸長速度に日変動があるかなどを評価する。当初計画ではモデルに関して海外研究者と打ち合わせを行う予定であったが、新型コロナの影響で実現は難しいことが予想される。必要に応じて、メールやオンライン会議ツールなどを用いて議論を深める。
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