2021 Fiscal Year Annual Research Report
林学から森林科学への転換をふまえた森林の専門教育標準カリキュラムの構築
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20H03035
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
井上 真理子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30414478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10370850)
杉浦 克明 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (40445739)
枚田 邦宏 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (50222245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 専門教育 / 技術者教育 / 人材育成 / 資格 / 研修 / 教育カリキュラム / 森林教育 / 林業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
林学から森林科学に変わってきた専門分野の教育について、現状分析を行った。 森林・林業の専門教育機関の現況調査として、高等学校で森林・林業科目を開設している72校を対象に、アンケート調査を実施した結果、多様な実態が明らかになった。調査は、2021年3~4月に郵送で行い、24校から回答を得た。学科名は、森林科学科など森林を含む(22校)、林業科や林産や農林を含む(10校)、環境を含む(18校)、緑地・グリーンを含む(6校)、農業や地域など(7校)と総合学科(9校)となっていた。また、森林・林業科目(「森林科学」、「森林経営」、「林産物利用」)の設置状況は、3科目共に開設する高校が15校で6割を占めたが、2科目開設校が6校、その他が3校だった。専門科目を実施する学年は、1年次から3年間開設する高校が9校、2年次以降の開設が14校、3年次のみ開設が1校だった。森林・林業科目は、専門学科やコースの他、農業の学科で開設している事例もあり、森林・林業の技術者養成の目的だけではなく、多様なニーズの中で教えられていた。 諸外国での森林・林業の専門教育は、国際森林研究機関連合(IUFRO)によるGlobal Outlook on Forest Educationプロジェクト調査報告書などをもとに、西欧やアフリカ諸国の専門教育について情報収集を行った結果、専門教育の内容として、木材生産の他にも野生動物の保護管理やアグロフォレストリーなどを含む国もあり、育成する能力にはコミュニケーション力やマネジメント力なども重視されていた。 その他、大学で森林科学に関連する27校の教員を対象にアンケート調査を実施した(2021年8~11月)。さらに、専門的職業・資格に求められる知識・技能について、技術士(森林部門)の資格試験を対象に、出題内容の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の森林科学の専門教育について、計画通りに大学と高校を対象とした実態調査を実施し、分析を進めている。また、専門的人材に求められる資格について試験内容の分析を進めている。 日本と比較するために実施を計画していた諸外国の専門教育については、海外の研究者から情報を得て文献調査を行えていることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
森林・林業の専門教育機関の教育の現状について、高校調査では、アンケートから回答を得られなかった情報を補足するために、追加調査として、各高校のホームページを利用して教育課程や教育内容の分析を進める。 その他、大学調査、専門的職業・資格で求められる知識・技能の調査などでは、調査データの分析を進め、最終年度に提案する森林・林業に関する専門教育の教育内容の提案につなげる。
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Remarks |
枚田邦宏・井上真理子・田中千賀子・岡田美香.『森林科学教育の現状と体系の再編-森林科学の専門教育に関する実態調査から』大日本山林会、44pp 2021年
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