2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁形成の日周性が解き明かすセルロースミクロフィブリル束形成の仕組みと物性発現
Project/Area Number |
20H03042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 正人 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30242845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞壁形成 / セルロースミクロフィブリル |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞壁二次壁の発達、肥厚は細胞壁成分が新生面に堆積していくことである。この成分堆積に生育環境である光の日周性はどう影響しているのか。本研究は形成された細胞壁の微細構造にその解を求めた。セルロースミクロフィブリルの集合・束形成と日周性の関係を明らかにすること、さらにセルロースミクロフィブリ ル束サイズや分布が細胞壁の物性発現にどう関わっているかを明らかにする研究に取り組んだ。 これまでの成果により、明期の長い昼長条件で生育させた試料の木材細胞壁と、暗期の長い夜長条件で生育させた試料の木材細胞壁では、微細構造に変化が見られることが分かっている。昼長試料では、セルロースミクロフィブリルが部分的に大きく凝集した斑状の構造をとるのに対し、夜長試料では、セルロースミクロフィブリルの大きな凝集は見られず、規則的に配列した層状の構造をとる。本研究では、生育の明暗周期が細胞壁微細構造にもたらす影響を調べた。 セルロースミクロフィブリル束直径は、明期 12h 暗期 12h 試料よりも明期 24h 暗期 24h試料の方が大きかった。この理由として、明期 24h 暗期 24h 試料では、長い明期の間に大量のセルロースミクロフィブリルが細胞壁新生面に堆積されるため、明期 12h 暗期 12h 試料に比べてマトリックス物質がミクロフィブリルを十分に覆うことができなかったと考えられる。セルロースミクロフィブリル束直径が最も大きかったのは昼長試料で、これは先ほど述べたとおり、マトリックス物質が少なくセルロースミクロフィブリルが多いことにより、ミクロフィブリルの凝集が促進されたからであると考えられる。夜長試料は、セルロースミクロフィブリルが少なくマトリックス物質が豊富であるためミクロフィブリルの凝集は抑制され、ミクロフィブリル束直径が最も小さくなると考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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