2021 Fiscal Year Annual Research Report
新たな免疫療法を拓く食用担子菌薬理成分の単離と作用機序解明
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20H03048
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
原田 栄津子 (石井 栄津子) 宮崎大学, 農学部, 助教
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Project Period (FY) |
2020 – 2021
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Keywords | オオシロアリタケ属菌 / 免疫チェックポイント分子 / 肺癌 / メラノーマ / キノコシロアリ / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
亜熱帯地方で自生しているオオシロアリタケ属菌はキノコシロアリと共に生活環を維持している共生菌である。このキノコには特有の栄養成分が含まれており、さらに生物活性物質資源としても注目されている。オオシロアリタケ属菌の成分は高血圧症、肥満症、クワシオルコル、慢性下痢などに対する予防効果があると報告されているが、抗ガン活性があるかについて不明である。近年、癌細胞が免疫チェックポイント分子であるPD-L1とPD-L2の過剰発現をすることにより免疫の働きにブレーキをかけて、免疫細胞の活性化を阻害していることが明らかになっている。免疫細胞の攻撃を阻止するこのブレーキを解除し、免疫細胞を再び活性化して、癌細胞を攻撃するようにする新たな治療法が注目されている。免疫チェックポイント分子を阻害する薬剤の開発が進んでおり、免疫チェックポイント分子阻害剤は臨床的にも効果が認められつつある。しかしながら、長期にわたる薬剤の投与に伴って治療耐性となり腫瘍が再増悪する症例も多く観察され始め、その獲得耐性が新たにがん治療の障害となっている。そこで、本研究ではオオシロアリタケ属菌の抽出液はガン細胞における免疫チェックポイント分子の発現に対する抑制効果の可能性を検討した。その結果、オオシロアリタケ属菌の抽出液は肺癌細胞とメラノーマ細胞の免疫チェックポイント分子の発現を有意に抑制した。免疫チェックポイント阻害剤と同様の効果を持つ上、獲得耐性を予防する効果が顕著である株を発見することができた。このことにより、免疫チェックポイントを阻害すると同時に治療耐性を克服するきのこのみがもつ特徴を生かした新規素材を提示し、治療効果が長期に持続するガン免疫療法への確立に貢献する画期的な創薬が期待できる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] The Fairy Chemical Imidazole-4-carboxamide Inhibits the Expression of Axl, PD-L1, and PD-L2 and Improves Response to Cisplatin in Melanoma2022
Author(s)
Inoue C, Yasuma T, D'Alessandro-Gabazza CN, Toda M, Fridman D'Alessandro V, Inoue R, Fujimoto H, Kobori H, Tharavecharak S, Takeshita A, Nishihama K, Okano Y, Wu J, Kobayashi T, Yano Y, Kawagishi H, Gabazza EC.
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Journal Title
Cells
Volume: 11
Pages: 374
DOI
Peer Reviewed / Open Access