2023 Fiscal Year Annual Research Report
親潮珪藻ブルームは浮魚類生産を支えているのか?:混合栄養性種が繋ぐ食物連鎖
Project/Area Number |
20H03059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 一生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00301581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 茂穂 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (20371792)
一宮 睦雄 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (30601918)
増田 貴子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (60893831)
岡崎 雄二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (90392901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 亜寒帯太平洋 / 親潮域 / 春季ブルーム / 動物プランクトン / 混合栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
HNLC海域として知られる西部北太平洋亜寒帯域定点(K2)観測において無殻繊毛虫が果たす役割を理解するために、現存量、鉛直分布、成長速度、栄養摂取様式を調査した。マイクロプランクトンの生物量は0-10 mで最も高く、これに次ぐ極大が30-40 m層に観察された。無殻繊毛虫はほとんど全ての層で優占群となり、中でも20ー50μmのサイズのものが生物量の9割以上を占めた。最も生物量が多い0 m、10 mに生息する20ー50μmの繊毛虫の70%以上が体表全面に顕著なクロロフィル自家蛍光を呈する混合栄養性細胞であった。さらに、培養実験により、20ー50μmの繊毛虫は、0.5ー1.0 day-1を超える増殖速度を示し、その他のサイズ画分の繊毛虫や珪藻、渦鞭毛藻と比較して成長が非常に速いことが明らかになった。
2001-2010年に採集された動物プランクトン層別採集データをまとめて解析することにより、Neocalanus属2種(N. plumchrus, N. flemingeri)の表層出現に影響を与える環境要因を吟味した。一般化線形モデルを用いた解析によって、NP優占度が50%を超えるのは156日目、すなわち6月初旬であることが明らかとなった。NP優占度は混合層内平均水温と正の相関、混合層内平均栄養塩(硝酸塩、ケイ酸)濃度、混合層深度とは負の相関を示した。N. plumchrusの優占度が50%を超える時の環境条件は混合層内平均水温が8.1℃、混合層内平均硝酸塩濃度は7.3μM、混合層内平均ケイ酸濃度は13.9μM、混合層深度 21. 1mであった。また両種ともブルーム終了後には個体数密度が減少するものの、HNLC状態の水塊ではChl.aが低いにも関わらず高い個体数密度が維持され、とくにN. plumchrusではこの傾向が顕著であることが示された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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