2020 Fiscal Year Annual Research Report
鰓上皮抗原取込細胞の選択的な抗原取込機序の解明とワクチンデリバリーへの応用
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20H03061
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 豪司 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50624219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 魚類免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の粘膜上皮に存在する抗原取込細胞:M細胞は、レセプターGP2分子により細菌表面の線毛タンパク質フィンブリンを認識することで、特定の病原体を選択的に取り込むことができる。そこで、本研究では、Vibrio anguillarum、Yersinia ruckeri、およびAeromonas salmonicida subsp. salmonicidaの線毛タンパク質を組換えタンパク質として作製し、それらをコートしたビーズを用いて、GAS細胞のレセプター分子の同定を試みた。まず、A.s.s.の線毛タンパク質であるFimF、tapA、tapB遺伝子をHis-tag不可タンパク質として発現させ、精製した。さらにそれらをコート下蛍光ビーズを作製し、ニジマスに浸漬投与することで、これらビーズがGAS細胞より取り込まれるかどうかを確認した。これまでに、FimFコートビーズを用いた実験を実施したが、本蛍光ビーズの取り込みは観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、研究のスタートが遅れたものの、標的とする病原体の表面タンパク質の作製には成功しており、それらで就職したビーズの作成もできた。レセプター分子は同定できていないが、実験の基礎は作り上げることができており、概ね順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
A.s.s.の線毛タンパク質遺伝子群について、引き続き組換えタンパク質の作製、修飾ビーズの作成、ニジマスを用いた抗原取込試験を引き続き実施していく。さらに、昨年度実施に至らなかったLPSの抽出にも取り組み、GAS細胞の選択的な抗原取込に関与するレセプター分子の同定を行っていく。
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