2020 Fiscal Year Annual Research Report
カイヤドリウミグモ寄生によるアサリ漁業被害に関する研究:効果的対策手法の提案
Project/Area Number |
20H03062
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮崎 勝己 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20263064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 雅紀 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島支部, 室長 (00311324)
冨山 毅 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (20576897)
山田 勝雅 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (80569195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COI領域 / マイクロサテライト / 環境DNA / プライマーセット / 寄生率 / コホート解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアDNA COI領域を用いた、カイヤドリウミグモ各個体群間の集団遺伝学的解析を行い、東京湾個体群が地理的距離の近い館山・三崎個体群よりも、三河湾及び松川浦個体群と遺伝的距離がごく近く、東京湾・三河湾・松川浦個体群と館山・三崎個体群が異なる系統群を形成することを明らかにした。また前者がボトルネック効果を受けており、小規模の同祖個体群から派生してきたことが強く示唆された。マイクロサテライトマーカーを用いた予備解析においても、解析数が少ないながら、同様の傾向を見出した。 環境DNA中からカイヤドリウミグモのDNAを特異的に増幅させるためのプライマーセットの探索を行い、ミトコンドリアD-loop中に特異的なプライマーを構築した。 過去に東京湾で行った野外調査のデータを整理し、シオフキにおいてもアサリ同様に寄生率が高いことと、バカガイでは寄生がみられなかったことを確認した。また野外調査で得られたカイヤドリウミグモ体長データのコホート解析を行い、個体群サイズに変動をもたらすパラメーター(成長・生残等)の抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍に伴う厳しい移動規制により、新規個体の採集を行うことが出来ず、当該年度は各研究室で保管している標本、及び過去に得られたデータを用いた観察ないし解析しか行えなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
移動制限が解除され次第新規個体の入手に努めるが、カイヤドリウミグモは出現時期が限定されているため、研究に必要な個体数の入手が出来なかった場合は、引き続き既存の標本とデータを使って研究を進める。過去のデータ解析については、東京湾だけで無く松川浦でのデータについても解析を進める。
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