2020 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジー的アプローチによる付着阻害活性発現メカニズムの解明
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20H03072
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
北野 克和 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10302910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 桂樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 研究員 (40147070)
野方 靖行 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 上席研究員 (10371535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 付着生物 / イソニトリル / フジツボ / 海洋付着生物 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、なぜイソニトリル化合物がフジツボキプリス幼生を殺生することなく付着のみを阻害するのかを解明するとともに、その知見を基に新たな付着阻害物質開発へと応用することである。そこでまずは、付着阻害活性発現時にイソニトリル化合物が作用する標的タンパク質について、光反応性プローブによりピックアップし、キプリス幼生のトランスクリプトーム解析による遺伝子発現の情報を融合することによって明らかにすることを目的とする。当該年度は、光反応性プローブの合成法検討、および付着阻害物質作用時におけるキプリス幼生のトランスクリプトーム解析に関する検討を中心に行った。以下に詳細を記す。 ・光反応性プローブの合成法検討 市販の化合物から、活性発現部位であるイソシアノ基、スペーサーに直鎖アルキル部分、および光反応性基にアジド基を有する化合物の合成方法を検討した。その結果、目的とする光反応性プローブを合成することに成功した。ただし、各段階の収率が悪く、また分離が比較的困難は不純物も福生していたことから、さらなる合成法の検討が必要であることが示唆された。 ・キプリス幼生のトランスクリプトーム解析 付着阻害物質(イソニトリル化合物)の存在の有無がキプリス幼生の遺伝子発現に与える影響を明らかにするために、キプリス幼生を用いたRNA発現解析法を検討した。具体的には、過去に創製した付着阻害物質を用いたキプリス幼生の付着試験を行い、RNAを抽出後、次世代シークエンサーによる網羅的な発現遺伝子ライブラリーの獲得を目指した。その結果、キプリス幼生を100個体程度用いることによって、解析が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響により施設利用が制限されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に得られた知見を基に、目的とする化合物の合成および発現遺伝子ライブラリーの獲得を目指す。
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Research Products
(6 results)