2022 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of memory T cells generated by mucosal vaccinations in teleost fish.
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20H03075
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杣本 智軌 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40403993)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸管免疫 / 粘膜ワクチン / B細胞 / ギンブナ / IgM抗体 / IgT抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、4か所の粘膜組織(体表、エラ、皮膚、腸管、鼻腔)にギンブナ造血器壊死ウイルス(CHNV)をギンブナに直接投与したところ、経肛門挿管法が最も高いCHNV特異的IgM産生応答を誘導した。また、腹腔内接種と腸管投与した場合、腹腔内接種後、腸管組織破砕液においてIgM産生応答がみられた。本年度からは、抗原投与後の腸管における記憶B細胞の存在を確める。CHNVを腹腔内と腸管に投与し、血液中の抗体産生応答が収束したあと、腸管の前部と後部を採取し培養液に入れ、CHNVで再刺激した後の培養液中のIgMとIgTの抗体産生応答を測定した。しかし、腸管には常在細菌がいるため抗生物質を存在下でも、細菌が増殖し抗体産生量を測定することができなかった。今後、培養液に添加する抗生物質の濃度や種類などを検討する必要がある。 本年年度は、B細胞の局所免疫応答だけでなく、T細胞の粘膜組織の役割について検討した。粘膜組織のT細胞の分布を幅広く調べるため、粘膜器官(鼻腔、鰓、鰭、前腸、後腸、鱗)におけるCD8+T細胞とCD4+T細胞や他の白血球の割合をフローサイトメトリーで解析した。すべての粘膜器官に存在するCD4+とCD8+T細胞の割合は、腎臓の割合と比べて高いことが確認できた。その中でも腸管ではCD8+T細胞が多く、その他の粘膜器官ではCD4+T細胞が多かった。粘膜組織におけるT細胞の割合は、マクロファージや顆粒球と比較して高かった。以上の結果から、粘膜組織においてT細胞は重要な細胞であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸管組織内のB細胞のin vitroにおける抗体産生応答の測定系を確立することができなかった。また、腸管免疫後のIgTとIgMの産生応答の解析において、免疫回数や間隔などの条件を変えての更なる試験を実施する必要であるが遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでの組織培養条件を検討し、局所免疫後の腸管組織内の記憶B細胞の応答の解析を確立する。また、局所免疫におけるT細胞の解析も並行して解析する。
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