2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H03079
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
山田 秀俊 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (70511955)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DHA / Rack1 / PKCθ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Receptor of Activated C Kinase 1 (Rack1)とオメガ3脂肪酸であるDHAの相互作用に着目し、蛋白質相互作用制御因子としてDHAを捉えることで、これまで未解明であったDHAの作用機序を説明することを目標として研究に取り組んだ。Rack1は活性型PKCと結合しPKCシグナルを安定・増強する分子として同定された足場タンパク質である。DHAによるRack1とPKCの相互作用抑制に着目して解析し、これまで詳しい作用機序の明らかにされていなかったDHAの抗腫瘍作用について、DHAがメラノーマ細胞においてPKCθとRack1の相互作用の抑制することでPKCシグナルを減弱させるという、DHAの新規作用機序を明らかにした。DHAによる細胞増殖抑制効果について複数の細胞株で検討し、腫瘍細胞株におけるPKCθ発現とDHAによる細胞増殖抑制効果が相関することを見出した。 PKCθはT細胞増殖と成熟に必須のシグナルを伝達する分子であることから、T細胞性白血病細胞株4種におけるDHAの腫瘍細胞増殖抑制効果について検討し、DHAがT細胞性白血病細胞株4種全てにおいて細胞増殖を抑制することを見出した。DHAはメラノーマ細胞株においてもT細胞性白血病細胞株においても、JNKリン酸化レベルを低下させた。JNKはPKCによってリン酸化を受ける主要基質であり、細胞増殖シグナルに関与する分子である。このことから、DHAによるPKCθを介した細胞増殖シグナル抑制が、PKCθ発現がん細胞株に共通して起こることを見出した。 本研究は、DHAが蛋白質相互作用調節因子として働くことで抗腫瘍効果を発揮するというDHAの新たな作用メカニズムを示唆し、DHAの作用と作用機序の概念を拡張する新たな研究成果である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)