2021 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study on Euro-Japanese agri-environmental governance: focusing on the role of environmental NGOs
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20H03087
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西澤 栄一郎 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (30328900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市田 知子 明治大学, 農学部, 専任教授 (00356304)
矢部 光保 九州大学, 農学研究院, 教授 (20356299)
田中 勝也 滋賀大学, 経済学部, 教授 (20397938)
黒川 哲治 法政大学, 生命科学部, 講師 (80438803)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食料環境経済 / 農業環境政策 / 生物多様性 / 環境保護団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本での農業分野における生物多様性保全の取り組みに環境NGOがどのようにかかわっているかを全国的に把握するため、多面的機能支払交付金に着目した。同交付金は、農業・農村が有する多面的機能の維持・発揮を図るための地域の共同活動を支援することが主たる目的であるものの、生物多様性保全に関わる活動に取り組むこともできる。同交付金に関する2019年の全国の活動組織のデータを行政文書開示請求によって農林水産省から入手し、それを用いて、活動組織による各活動の取り組み状況と,活動組織の属性との関係について統計分析を行った。 その結果、農業者以外の個人や、自治会、学校・PTA、NPO など、農業者以外の団体が参加している組織の方が、生態系保全の活動項目(生物調査、生態系保全活動、地域資源活用、遊休農地活用、多面的機能の増進を図る活動など)の実施率が高いことが明らかとなった。生態系保全活動の実施にあたって、NPO は「生態系の専門家・保全活動の指導的立場の者、もしくはその参加を促進する者」という役割があり、非農家団体や非農家個人は「知識を身に着け、保全の手法を学び、実際の活動を担う者」という役割があることが示唆され、これら多様な主体の参加が生態系保全などの活動を支えていると考えた。また、都道府県が設定する多面的機能支払交付金の要件も,生態系保全活動および生物調査の実施に影響を与える可能性も示唆された。この研究を論文として執筆し、農村計画学会の学術誌『農村計画学会誌』に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大のため、研究は大きな後れが生じた。オンライン会議により月1回程度、打ち合わせを行い、研究を進めていったが、3年は現地調査ができなかった。このため、海外の調査は手つかずとなり、国内もオンラインでの聞き取りしかできなかった。令和4年も新型コロナウィルスの感染状況が収束せず、海外の調査は断念せざるを得なかった。国内の調査は、3年になんとか2回ほど実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査の実現に努める。
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