2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study on structure and process of entrepreneurship in agriculture and rural sector
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20H03089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木南 章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00186305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木南 莉莉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40272132)
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 起業家精神 / 新規開業 / 事業多角化 / 農業 / 農村 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、定性的分析と定量的分析の方法を融合した混合研究法に基づく新たな分析方法を考案し、農業農村における起業家精神の構造と発現プロセスを解明し、農業経営および農村振興の持続的な発展に資する理論と戦略の構築を行うことである。そのため、まず、既往研究のサーベイに基づいて課題解決のための分析枠組みを構築した。 定量的分析においては、新規開業および事業多角化を需要要因と供給要因から説明する計量分析を行うためのパネルデータを構築し、パネルデータ推計を実施し、固定効果モデルの妥当性を検証するとともに、計測された固定効果推計値から事後的に起業家精神を定量的に把握する方法を確立した。そして、固定効果推計値として把握した起業家精神に影響する要因を探索し、要因の影響力を定量化し、その特質を明らかにした。また、企業的な農業経営の多年度の財務データを収集しパネルデータを作成し、経営成長の実態を計量的に明らかにした。 定性的分析においては、高い起業家精神を備えていると考えられる経営者による事業発展の事例を収集し、経営者の起業家精神の特質と発現プロセスの事象を整理した。収集した定性的データに対して、複線径路・等至性モデル(Trajectory Equifinality Model: TEM)を適用し、起業家精神の発現における当至点(EFP)を設定し、分岐点(BFP)を判別するとともに、経路決定に影響する社会的ガイド(SG)と社会的方向付け(SD)の特定を通じて、発現プロセスを解明した。 これらの研究成果は、関係学会での口頭発表、および関係学会誌での公刊を果たした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症により、参加を予定していた学会が中止・延期となり、対面による長時間の現地調査が不可能となったため、計画の変更と研究費の繰越を行ったが、代替する分析方法の採用と新たな計画に沿った研究を遂行したため、研究全体としては、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画変更後のスケジュールに沿って、研究計画の内容に対応した研究を推進する。定量分析と定性分析において、相互に分析結果を反映させながら、それぞれの分析を発展させるとともに、両者を総合化する方向で研究を推進する。
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Research Products
(4 results)