2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation for Physicochemical Blockage Mechanism of Wastewater Contained with Food Organic Oil by using Fusion Sensing
Project/Area Number |
20H03104
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 良造 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60261773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Ahamed Tofael 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40593265)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 粒子画像流速計 / 模擬排水 / 管閉塞平 / 平均速度ベクトル / 遊離脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子画像流速計を用いて測定を行うために管閉塞再現装置を作成した。管閉塞を発生させるための模擬排水は全量が40Lで,条件ごとにオレイン酸,食品残渣としてフロリジルを加えた。模擬排水の条件はCa2+濃度40 mg/Lの水道水40 Lにオレイン酸1,000 mg/L,フロリジル濃度0 mg/L, 875mg/L,1,750 mg/Lを加えた計3条件とした。模擬排水から排水管に流れる排水の流量は8.0 L/minとし,実験時間は6時間とした。流れの可視化のためにトレーサー粒子を0.8g模擬排水に混ぜ,その後高輝度緑色LED光源(PV2-L,カトウ光研)を測定部位に当てた。撮影には解像度1,024 × 1,024 pixelsのUSB高速度カメラ(k7-USB,カトウ光研)と録画システムを使用し1時間ごとに10分間撮影した。撮影した映像に流体解析ソフト(Flow Expert 2D2C,カトウ光研)を用いて解析を行った。実験開始直後に発生した沈殿物は堆積せず水流に流されていたが,時間が経つごとに底に堆積物が沈殿した溜まっていった。これは遊離脂肪酸とCa2+から発生する粘着性の物質がフロリジルと混合し混ざり,沈殿物が流れにくくなったことが示唆された。また、フロリジルが入っている排水で沈着物が発生した原因は,排水内の上下方向の対流によって水面にいるオレイン酸が攪拌されCa2+反応しやすくなる可能性や,フロリジルにオレイン酸が吸着することでCa2+との反応性が上がっていることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
油分を含む排水の排水管閉塞について、脂肪酸の化学反応に起因する閉塞過程を説明できるようになるとともに、実験データを基礎とした閉塞理論の導出を行うためのデータ取得が可能となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
模擬排水の閉塞に関する実験は、常に排水が流れている流れの定常状態を基本に閉塞を再現していたが、現場での閉塞現象が、水の流れが断続的になっていることから、排水の流れを周期的に止め、閉塞物質と排水管との関係をトライポロジーの観点から解析を行い、閉塞理論の導出を行う予定である。
|