2021 Fiscal Year Annual Research Report
Automating pig farming with AI and IoT under horde management
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20H03108
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
川末 紀功仁 宮崎大学, 工学部, 教授 (20214645)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AI / 豚 / 体重推定 / カメラ / 認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロードセルによる体重測定と同時にカメラで撮影するシステムを製作した。30kg程度の豚は動きが早く、かつ通路に対して体が小さいので、2頭同時に装置を通過する場合があるが、AIを利用してカメラによる測定で一頭ずつ区別することが実現できた。AIにはYOLOと呼ばれるアルゴリズムとGrabCutの手法を組み合わせ、背景や豚が他の豚に接触している状態でも一頭一頭を切り出すことが実現できた。取得したデータはクラウド上に保存され遠隔で確認できる仕様にした。さらに、朝から夕方までの時間ごとの通過頭数と当日の体重分布を取得するプログラムを製作した。朝と13時頃に豚が活発に活動している状態がデータからも確認できた。また、日ごとの平均体重の増加状態をグラフで示すプログラムを製作した。カメラの傾きセンサを利用して、カメラを傾けて設置した場合も取得したデータを回転させ、鉛直方向に豚の形状データを揃えるようにした。入口扉を豚が自分で開けることによる機械的な不具合が生じる問題があったが、上方向に扉の動きのあそびを設定し、また、下方向は自重で降りる機構にすることで、機械的なトラブルを解消できた。入口扉は上下するとともに豚の体にそってスダレのように動く仕様としている。この機構については特許を出願している。カメラによる体重推定精度を向上するために、複数の養豚場にてデータを取得した。体重推定に用いる豚の特徴量としては、体高、体長、体積など9個の特徴量をもちいている。特に体積は体重を推定するための重要な値であることが確認できた。豚の撮影位置によって取得されるデータにばらつきが出ないように体重推定前に豚の体を正規化するプログラムを製作した。装置の設置状態を考慮し、特に豚の頭部方向からの撮影した場合と尾部方向から撮影した場合との結果に違いが生じないようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍における実験の対策として、遠隔制御でデータを取得できるようにした。実験ではコンピュータの電源を落とすことができないので、放熱のため、装置のコントローラーにファンを設置している。これにより夏場もトラブルなく運転できることを確認した。実験装置が県外に設置してあるのでメンテナンスに頻繁に行くことができなかったが、おおむね順調に動作している。
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Strategy for Future Research Activity |
サーモグラフィを使用して体重を測定するためには、体毛のない目や鼻の部分を認識し、体温を測定する必要がある。このため、装置は400×400mmの枠内で比較的安定した姿勢で撮影を行う。目や鼻の認識には、YOLOと呼ばれるセグメンテーション手法を使用する。 豚の体重推定においては、体重を反映する特徴量をカメラで抽出して利用する。従来から体高、体長、胸囲などの測尺値から重回帰式による体重推定が行われている。カメラによる測定でも、従来の測尺値とできるだけ同じ特徴量を利用するようにしている。また、耳や尾の位置が重要なポイントとなり、AIによる特徴量抽出に利用する。体高の測定には、地面を基準とした高さを測定するために、地面を平面と見なした検出方法を試みる。また、体高については、測定位置のほか、最大高さや平均高さなど最も安定して検出できる方法を検討する。カメラによる画像取得と同時にロードセルによる生体重測定を行う。豚が歩行中の測定であるため、歩行による振動によって測定体重にばらつきが生じることがある。このばらつきを削減するため、測定データの移動平均を利用する。また、カメラによる体重推定結果を豚衡器やロードセルの測定結果と比較し、体重推定アルゴリムの改良を行う。なお、豚の色や汚れなどが測定データに影響することが予想される。そのため、データの欠損値があった場合でも、他の特徴量で補完するためにランダムフォレストアルゴリズムを導入し、ロバストな体重推定を試みる。体重判別後、体重に応じて、大・中・小の3つのグループにわける出口機構を製作する。この出口機構は上げ下げ式の扉とし、出口扉の外側にスダレ式逆進入防止扉を備える。出口扉の動作速度は実際の豚の動きを確認しながら決定する。入口扉の制御から出口扉の制御までの一連の流れを実際の豚を用いて確認する。
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