2021 Fiscal Year Annual Research Report
経口用乳酸菌オリゴDNA微粒子の最適化と腸管上皮を起点とする免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
20H03125
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
下里 剛士 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (00467200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 特任教授 (70510436)
重盛 駿 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (90803487)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / オリゴDNA / 微粒子 / 腸肺相関 / 免疫 / 腸管上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
非メチル化CpGモチーフを含む合成オリゴDNA(CpG-ODN)は、Toll様受容体9(TLR9)を介して宿主の免疫系を活性化する。CpG-ODNは、喘息を含むアレルギー性疾患の代替薬としての利用が期待されており、その有効性が検討されてきた。本研究グループでは、乳酸菌ゲノム配列由来のCpG-ODNを有効成分とする微粒子(ODNcap)を、CpG-ODNの経口運搬系として開発することに成功している。そこで、ODNcapが小腸局所を起点とする免疫制御機構の解明を目指し、これまでに実施した気管支喘息モデルマウスから採材されたサンプルを用いて詳細な調査を行った。 気道炎症は、喘息症状の特徴であるAirway hyperresponsiveness(AHR)の主要な病態となっており、杯細胞の過形成と線維化を伴う気道リモデリングは、AHRの病態に起因している。本研究では、経口用CpG-ODN微粒子であるODNcapを含む特別飼料を調製し、前述のモデルマウスにおける自由摂取試験を実施した。PAS染色による気管支の観察から、杯細胞の過形成と粘液の過剰生産は陰性対照群で同様に認められ、ODNcapを添加した飼料を摂取した群では有意に減弱した。なお気管支周辺では、α-SMA抗体に対する反応性は全群で同程度であったことを踏まえ、本モデルでは線維化が進行していないことが示唆された。また、興味深いことに、アレルギー性気管支炎の病態は、肺静脈中の細胞傷害を伴うことを見出し、ODNcapの自由摂取が同細胞を保護することを発見した(Frontiers in Immunology, 12:738041, 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳酸菌オリゴDNAがもたらす腸管を起点とした免疫パラメーターを網羅的に解析し、アレルギー性気道炎症モデルにおいて腸肺相関に絡んだ制御機構の一端を明らかにした。また同内容は原著論文として発表に至ったことを踏まえ、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギー性気管支炎の病態は、肺静脈中の細胞傷害を伴うことを見出したことを踏まえ、ODNcapの自由摂取が同細胞を保護する機構について、2種類の動物モデルを用いて調査を進める。また、ODNcapが、腸内微生物および腸内生態系を調節し、気道の炎症を抑制する可能性についても検証を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Free feeding of CpG-oligodeoxynucleotide particles prophylactically attenuates allergic airway inflammation and hyperresponsiveness in mice2021
Author(s)
Okajima, T., Shigemori, S., Namai, F., Ogita, T., Sato, T. & Shimosato, T.
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Journal Title
Frontiers in Immunology
Volume: 12
Pages: 738041
DOI
Peer Reviewed / Open Access