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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Study on the mechanism of antibody transport to avian egg yolks by PLA2R receptor and its application to produce eggs rich in IgY

Research Project

Project/Area Number 20H03128
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

村井 篤嗣  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10313975)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 水島 秀成  北海道大学, 理学研究院, 助教 (20515382)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords畜産学 / 栄養生理学 / 鳥類 / 卵 / 抗体 / ゲノム編集 / 母子免疫
Outline of Annual Research Achievements

・鳥類のPLA2Rは卵巣(=卵胞)に陥入する毛細血管の内皮細胞で発現することが推測された。そこで、組織学的な顕微鏡観察によりPLA2Rが発現する細胞を特定しようとした。ウズラの血管内皮細胞のマーカータンパク質に対する特異抗体(QH1)とPLA2Rに対する特異抗体を使って、ウズラの卵胞で両タンパク質が同一細胞に存在するかを調査した。
・共焦点顕微鏡による観察により、ウズラの卵胞では、PLA2Rと血管内皮細胞マーカーが同一の細胞に共局在することが判明した。一部の細胞は、PLA2Rが発現するものの血管内皮細胞マーカーの発現が見られなかった。よって、血管内皮細胞以外にもPLA2Rは発現するものの、血管内皮細胞で発現するPLA2Rが卵黄へのIgY輸送に寄与する可能性が高いと考えられた。
・PLA2RとIgYとの結合活性を測定するために、PLA2Rの組換えタンパク質を作出し、そのタンパク質を96wellプレート上に固定化することで、IgYとの結合活性を検出した。その結果、IgYは酸性条件下でPLA2Rと結合するが、中性条件下では結合しないことを確認した。そして、卵黄に大量に輸送されることが知られているIgY変異体はPLA2Rと強く結合するものの、卵黄への輸送量が少ないIgY変異体の多くはPLA2Rとの結合が弱いことが判明した。
・卵黄に全く輸送されないIgY変異体の中には、逆にPLA2Rと強固に結合するものが存在した。
・PLA2R欠損ウズラを作出するために、ウズラの受精卵にガイドRNAを発現するベクターを導入し、ゲノム編集が生じた個体をスクリーニングした。その結果、発生したウズラの中にPLA2R遺伝子の途中でゲノムDNAが切断されて遺伝子編集が生じた個体を確認した。同一の遺伝子編集が起こった個体同士を交配して、次世代のウズラでこの遺伝子編集を継承する個体を選抜する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度に作出したPLA2RとIgYの組換えタンパク質は、宿主である哺乳類細胞株の発育が悪く、目標とする生産レベルと純度に達しないことが判明し、令和4年2月に新たに購入した哺乳類細胞株を培養して、再度PLA2RとIgYの組換えタンパク質を作出した。そのため令和3年度の経費を令和4年度に繰り越して本研究課題を実施した。最終的に、令和3年度当初の実施計画を完遂することができた。よって、現在までに本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

PLA2RとIgYの結合活性を測定するための実験系を独自に開発した。この実験系を用いたPLA2RとIgYの結合試験によって、卵黄への輸送量が高いIgY変異体はPLA2Rに強く結合し、一方、卵黄への輸送量が低いIgY変異体はPLA2Rとの結合が弱いことが判明した。一連の成果により、PLA2Rは卵黄へのIgY輸送を担う主たる受容体である可能性が高くなった。しかし、一部のIgY変異体はPLA2Rと強く結合するにもかかわらず、卵黄へほとんど輸送されないため、より詳細な結合動態の解析が求められた。今後は、PLA2RとIgY変異体との分子間相互作用をバイオレイヤー干渉法によってリアルタイムで検出・解析することで、PLA2RとIgYの相互作用の強さと、結合動態の詳細を明らかにしていく。PLA2Rの欠損ウズラの作出については、遺伝子修復が生じた個体を交配させて、PLA2Rを完全に欠失する個体の作出を目指す。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results) Book (3 results)

  • [Presentation] 母ドリの卵巣と全身組織におけるPLA2R受容体の発現局在とIgY輸送特性の解析2022

    • Author(s)
      佐々木諒・大島健司・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
    • Organizer
      2021年度日本家禽学会春季大会
  • [Presentation] 産卵ウズラへの抗PLA2R抗体の投与は卵黄へのIgY輸送量を減少させる2021

    • Author(s)
      岡本真由子・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
    • Organizer
      2021年度日本家禽学会秋季大会
  • [Book] 生物の科学 遺伝2021

    • Author(s)
      岩澤淳, 村井篤嗣
    • Total Pages
      6
    • Publisher
      (株)エヌ・ティー・エス
  • [Book] 「トリ類」. 実験動物の技術と応用 入門編2021

    • Author(s)
      村井篤嗣
    • Total Pages
      8
    • Publisher
      (株)アドスリー
  • [Book] 「トリ類」. 実験動物の技術と応用 応用編2021

    • Author(s)
      村井篤嗣
    • Total Pages
      10
    • Publisher
      (株)アドスリー

URL: 

Published: 2023-12-25  

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