2022 Fiscal Year Annual Research Report
犬固形腫瘍に対する低コストかつレディメイドで適応可能なCAR-T細胞製剤の開発
Project/Area Number |
20H03141
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (60843216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 智憲 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40424163)
富安 博隆 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70776111)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 獣医腫瘍免疫学 / 犬 / CAR-T細胞 / 固形腫瘍 / 腫瘍抗原 / HER2 / GPC1 / PDPN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者が同定してきた犬固形腫瘍に特異的に過剰発現する標的抗原であるHER2およびGPC1、PDPNを標的としたキメラ抗原受容体CAR-T細胞製剤を、犬T細胞株を用いて作製し、その製材化を目指している。 本年度は作成したCARベクターの機能を検証するために、健常犬ドナーより採取した末梢血単核球から活性化犬T細胞を作成し、作成したCARベクターの遺伝子導入を試みた。末梢血単核球から活性化犬T細胞を作成するにあたって、複数の刺激試薬および培養液、添加サイトカインとその濃度など培養条件を検討し、活性化犬T細胞作成の最適な培養条件を同定した。作成した活性化犬T細胞は2ヶ月以上の長期に渡って、継代培養が可能であることがわかり、長期にわたる様々な検証に利用可能なT細胞の培養条件が確立できた。つぎに、活性化犬T細胞に遺伝子導入試薬およびRetroNectin法にて、遺伝子導入を試みたが、標準的なエンベロープでは犬T細胞への遺伝子導入が困難であったため、複数のエンベロープplasmidを入手し、比較検討を行った。その結果、効率的に犬T細胞への遺伝子導入が可能なエンベロープplasmidを同定でき、犬CAR-T細胞を作成できた。作成した犬T細胞と標的抗原を発現する犬腫瘍細胞株の共培養を行ったところ、抗原特異的なサイトカイン産生能の確認ができた。今後、抗原特異的な増殖能や細胞傷害活性などを確認するとともに、犬T細胞株への遺伝子導入を進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は作成したCARベクターの遺伝子導入によりCARの機能的発現を確認できた。また、犬CAR-T細胞の作成にあたって必要な種々の条件を同定できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度、CARの機能的発現を確認できたので、作成したCARベクターを用いてCAR-T細胞製剤を作成し、in vitro, in vivo機能の検証を進めていく。
|
Research Products
(3 results)