2022 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ、ネオスポラの潜伏からの活性化を司る分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
20H03149
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅裕 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00444521)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トキソプラズマ / ネオスポラ / シスト / 潜伏 / 活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿主動物の組織内に無症状潜伏感染中の原虫(トキソプラズマ・ネオスポラ)のシストが活性化し発症に至る過程について、シスト活性化のきっかけとなる宿主組織内での生命現象の特定と、その現象が起こったことを原虫が認知する機構を解明することが本研究の目的であった。これまでに、①宿主細胞内に寄生したシストが宿主細胞外に放出されることがシスト活性化のきっかけであり、②原虫は周辺環境のナトリウム・カリウム濃度比を認識して「宿主細胞外への放出」を認識すること、③シスト周辺の微細環境のpHが原虫のもつ認識感度を変動させること、④ナトリウム・カリウム比を認識する原虫側分子は電位依存性カルシウムチャネルの可能性が高いこと、をマウスモデルを用いて明らかにした。以上の発見は国際学術誌等に発表済であり、研究代表者が2022-2023年度・日本獣医学会賞を受賞するなど高く評価された。このように当初目標は予定以上の成果を上げており、残された最終年度の課題はマウスモデルで見出した現象が家畜や野生動物などでも同様に起こっていることの確認作業となった。トキソプラズマの中には、実験用マウスに感染させた際、急性期の間にすべての個体を殺してしまいシスト形成・無症状潜伏感染には至らない強毒株が存在する。これはどのような系統の実験用マウスに感染させても同様にみられる。このため当該研究開始時点では、宿主側要因によって潜伏感染が成立しないのではなく、強毒株は潜伏感染能力を失った例外的な株なのであろうと考えられていた。ところがこのような「強毒株」が一部の野生マウス個体の体内ではシストを形成して無症状のまま潜伏感染すること、そのような野生個体が国内にも高頻度に分布しており決して例外的な存在ではないことが研究遂行の過程で明らかになった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)