2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the molecular mechanism of GTP-driven stress response system
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20H03165
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 敦朗 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (80620385)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GTP / 恒常性 / ストレス応答 / イノシトールリン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イノシトール脂質キナーゼの一員であるPI5P4Kβの機能とその生物学的重要性を明らかにすることを目的としている。PI5P4Kβは、GTPエネルギーセンサーとして細胞内で活動し、細胞の生存と増殖に必要なシグナル伝達を調節することが知られている。研究実施計画では、PI5P4KβがどのようにしてセカンドメッセンジャーPI5Pの機能を制御するかその探索にある。 本年度の研究では、特にPI5P4KβがGTP濃度の変化に応答してどのように細胞の代謝を調節しているかに焦点を当てた。その結果、PI5P4KβがGTPによる活性化を受け、細胞の増殖やストレス応答に必要なある機能を調節していることを見出した。これは、PI5P4Kβが細胞の生存に不可欠であることを示す重要な発見であり、細胞のエネルギーホメオスタシス維持における新たなメカニズムを示唆している。 また、本研究では、新たに開発したオミックス技術を用いて、PI5P4Kβによって制御される遺伝子発現の変化を詳細に解析した。これにより、PI5P4Kβが関与する生物学的プロセスの全体像が明らかになり、特に細胞のストレス応答や増殖において重要な役割を果たしていることが示されました。この成果は、細胞のエネルギーメタボリズムやがんの進行における新たな治療標的としての可能性を示唆しており、研究の意義と重要性を強く示唆するものである。 こうした解析結果から、PI5P4Kβの活性制御に関わる新たな分子機構の解明は、細胞生物学およびがん生物学の分野における基本的な知識の拡張に寄与するとともに、将来的な臨床応用に向けた基盤を築くものと考えられる。これらの研究成果は、国内外の学会で積極的に発表され、高い評価を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
論文出版: 特に重要な論文として、最新の研究成果が FEBJ J および Structure 誌に掲載された。これらの論文では、研究テーマにおける新しい知見が詳細に説明している。
学術講演: 国内外の著名な会議で10回以上の講演を行い、研究成果を広く学界に共有した。
新発見: 研究の途中で予期せぬ新しい発見があり、これが研究のさらなる進展を促している。これにより、特定の生命現象についての理解が深まり、関連する他の研究分野にも影響を及ぼすものである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究成果を基に、さらなる実験計画を策定する。特に新たな発見に基づく研究テーマを設定し、それに必要な実験設備や資源の確保を行う。マルチディシプリナリーなアプローチを更に展開し、異分野の専門家とのコラボレーションを強化する。これにより、研究の質と範囲を拡大し、より深い洞察を狙う。 成果の論文化と発表:すでに得られているデータを整理し、論文の草稿を作成する。投稿する学術誌は、影響力のあるものを選定し、査読プロセスを通じて質の高い論文を目指す。 国内外の学会での発表を積極的に行い、研究成果を広く共有する。特に重要な発見については、キーストンシンポジウムや国際分子生物学会議など、大規模な学会での特別セッションを目指す。 新たな発見のさらなる展開:新たに発見された現象やメカニズムの詳細な解析を行い、その生物学的および医学的意義を探る。これらの発見を基に、新たな研究資金の獲得を目指す。特に国の戦略的研究基金や国際共同研究プロジェクトに申請し、研究テーマの拡張と深化を図る。
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