2021 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of humanized rats expressing multiple drug-metabolizing enzyme-related genes using mammalian artificial chromosome technologies
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20H03173
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
香月 康宏 鳥取大学, 医学部, 准教授 (90403401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リサーチバイオリソース / ヒト化モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬物代謝関連遺伝子をヒトと実験動物で置き換えたヒト化動物は、ヒト特異的な薬物代謝や安全性を予測する上で大きな役割を果たすと考えられる。本研究では医薬品開発のスピードアップと成功確率の向上を目指して、実験動物の中でも経時採血が可能、毒性試験等の背景データが豊富なラットを用いてヒト化動物を作製し、評価を行った。本年度は以下の研究を進めた。1)昨年度に引き続き、ヒトCYP3A遺伝子導入ラット、ヒトPXR遺伝子導入ラット、ラットCyp3a破壊ラット、ラットPxr破壊ラット、をそれぞれ交配することで、完全なヒト化CYP3A/PXRラットを作製し、繁殖維持した。2)上記で作製したヒト化CYP3A/PXRラットを用いて、in vitroでの評価を実施した。ヒト化CYP3A/PXRラットにおける薬剤応答性を確認するため、ヒトPXR活性化剤リファンピシンを経口投与し、肝および小腸CYP3A4発現量および酵素活性への影響を調べた。具体的には、肝および小腸におけるCYP3A4 mRNAをリアルタイムPCRにより定量し、ヒト化CYP3A4ラットとの比較を行ったところ、リファンピシン投与によるCYP3A4 mRNAの増加はCYP3A/PXRラットのみに認められた。また、肝ミクロソームを調製し、CYP3A基質であるトリアゾラム代謝活性を測定することにより、作製したヒト化CYP3A/PXRラットにおいて機能的な酵素誘導が引き起こされるか検討したところ、ヒト化CYP3A/PXRラットのみ酵素活性の上昇が認められた。3)昨年度に作製したヒトCYP3A遺伝子クラスターとヒトMDR1遺伝子が搭載された人工染色体ベクター(CYP3A-MDR1-MAC)を保持するラットES細胞を用いてキメララットを作製した。ラット胚49個に上記ES細胞をインジェクションし、仮親の子宮に移植したところ、GFP陽性のキメラ個体が16匹出生した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したストラテジーについて、予定どおりに成果を上げることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
完全なヒト化CYP3A/PXRラットを用いてin vivoでの評価を実施する。具体的には、ヒトPXR活性化剤リファンピシンを経口投与した後に、CYP3A基質トリアゾラムを経口投与し、トリアゾラムおよびその代謝物の血中濃度推移を解析する。また、これまでに作製できた種々の内在遺伝子破壊ラットと人工染色体によりヒト遺伝子を導入したラットを交配し、複合的なヒト化ラットの作製を進める予定である。
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Research Products
(6 results)