2022 Fiscal Year Annual Research Report
ハムスターをモデルとした卵形成時におけるレトロトランスポゾン制御機構の解明
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20H03175
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
蓮輪 英毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50343249)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゴールデンハムスター / 機能性RNA / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類のPIWI遺伝子はpiRNAとともに雄の生殖細胞のみでトランスポゾンの抑制分子として機能することが知られている。これらの知見はマウスを用いた研究から明らかにされたものである。ところが、ヒトをはじめとするほとんどの哺乳動物は雌の生殖細胞にもPIWI遺伝子を強く発現しており、マウスよりも1つ多くPIWI遺伝子を有する。そのため、哺乳動物全般においてはメスでもPIWI-piRNA経路が機能していることを予想し研究を実施した。その結果、ヒトと同様に4つのPIWI遺伝子をもつゴールデンハムスターに着目し、雌の生殖細胞で強く発現するPIWIL1とPIWIL3およびそれらに結合するpiRNAを見出した。 Nucleic Acid Research, vol.49, 2021。 さらに、個体レベルでの機能を明らかにするためにゲノム編集によりPIWIL1とPIWIL3を欠損させたゴールデンハムスターを作製しPIWIL1およびPIWIL3を欠損した卵子由来の胚は正常に発生せず、メスも不妊傾向を示すことを明らかにした。また、PIWIL1が欠損すると卵子由来の遺伝子発現が大きく変化するため転写レベルでの制御を行っていること、PIWIL3を欠損すると転写レベルでの変化はなくゲノムのメチル化などの変化が見られるため、卵子で強く発現するPIWI遺伝子は2つの異なる作用点で初期発生に必須の機能を有していることを明らかにした。これらの結果は、ゴールデンハムスターが新しいヒト疾病モデルとなることを示し、Nature Cell Biology, vol. 23, 2021に報告した。さらに、PIWIL1を欠損した卵子由来の胚は、2細胞期において核小体が集合するとともに、ミトコンドリアの凝集が見られること、PIWIL3を欠損した卵子は減数分裂のタイミングが早くなり染色体異常を起こす可能性があることを見出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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