2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の増殖期からニューロン分化期への移行メカニズムの包括的解明
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20H03179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 雄介 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (00645236)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / Hmga2 / クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Hmga2によるクロマチン制御機構の解明を目指した。 まず、in vitro再構成ヌクレオソームのシステムを用いることで、Hmga2がどのようにクロマチン構造を制御するかを調べた。その結果、Hmga2はヌクレオソームに直接結合し、クロマチンをの凝集状態に影響を与える作用があることがわかった。この結果は、これまで考えられてきたHmga2の分子機能とは異なる作用機序であり、非常に新規性が高い。 また、神経幹細胞の中でのHmga2の役割についても、Hmga2が結合する領域はクロマチン状態が特殊であることを見出しており、in vitroの結果と合っていた。 以上より、本年度の研究によりHmga2の未知の分子機能を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでHmga2はクロマチンに結合して作用があると考えられてきたが、実際にそれは検証されていなかった。しかし、本年度の研究によりHmga2はヌクレオソームに結合して機能すること、そして神経幹細胞内でも同様の作用があることがわかった。 これは、Hmgaという多くの細胞に発現する基本的なクロマチン構成因子の分子機能を明らかにしたという点で新規性、重要性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度に発見したHmga2の分子機能が神経幹細胞の運命制御にどういった役割を果たしているかを明らかにすることを目指す。 具体的には、Hmga2をノックアウト・過剰発現したときに神経幹細胞内でどういった遺伝子発現の変化が起きるかをRNA-seqにて、クロマチン構造への影響をATAC-seqやHi-Cにて、エピジェネティック状態への影響をCUT&Tagにて調べる。また、神経幹細胞の分化運命への影響をマウス胎児の脳切片を用いた解析で調べる。 これにより、Hmga2が神経幹細胞で果たす役割を分子レベルから組織レベルまで多階層にて明らかにすることができると期待される。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Protective role of HMGB1 in keratinocytes in skin inflammation by maintaining chromatin modification2021
Author(s)
Naoyuki Senda, Hideyuki Yanai, Sana Hibino, Lei Li, Yu Mizushima, Tomomitsu Miyagaki, Mai Saeki, Yusuke Kishi, Sho Hangai, Junko Nishio, Makoto Sugaya, Tadatsugu Taniguchi, and Shinichi Sato
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 118
Pages: e2022343118
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A FOXG1-dependent critical period for autism-associated GABAergic circuits2021
Author(s)
Goichi Miyoshi*, Yoshifumi Ueta, Akiyo Natsubori, Kou Hiraga, Hironobu Osaki, Yuki Yagasaki, Yusuke Kishi, Yuchio Yanagawa, Gord Fishell, Rob Machold, and Mariko Miyata
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 3773
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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